SNSで「子どもがグレそう」「親のエゴだろ」という声が届くことも

––––ご家庭の事情を、保育園ではオープンにしていますか?

ハヤトさん はい。保育園にも市役所にも、「うちはパパ2人です」って言っています。保育園の先生たちには、タカフミは「パパ」、僕は「父」と呼び方を統一してもらっています。「今日はパパがお迎えに行きます」「今日は父がお迎えに行きます」といった具合ですね。

直接会った人に何か言われることはあまりないのですが、SNSでは「子どもがグレそう」とか「親のエゴだろ」とか言われますね。

2人の娘・なーちゃん(1) (写真/集英社オンライン編集部)
2人の娘・なーちゃん(1) (写真/集英社オンライン編集部)

––––そういうコメントに対してどう思いますか?

ハヤトさん 最初はショックでした。でも、今では「顔も見たことない人に言われたところで、自分たちが傷つくのは時間の無駄だな」と思うようになりました。

僕たちの子どもは不幸になるって言われることもあるんですけど、僕は小児科の看護師として働いているので、必ずしも「パパとママがいる家庭=幸せな家庭」ではないということを理解しています。

なかには、パパもママもいるのに虐待されてしまい悲惨な状況にあるなど、すごくかわいそうな子も見てきました。個人的には、愛情をかけられなかった子どもが不幸になってしまうのではないかと思っています。

タカフミさん 僕も精神科の訪問看護で働いて、いろんな家庭を見てきました。その体験から「家族の形=幸せの正解」にはならないと実感しているので、そういう言葉は気にならなくなりました。

––––子育てをするうえで、今後心配なことはありますか?

タカフミさん 娘がもう少し大きくなったら「何でうちにはお母さんがいないの?」って聞いてくると思います。そのときどう答えるかは、娘が生まれる前から2人でけっこう話し合っています。そこを変に隠してしまうと、娘が「自分は悪いことをしているんじゃないか」と思ってしまうかもしれない。それが嫌なので、いろんな家庭があるんだよというのを隠さずに伝えていこうと思っています。

ハヤトさん 今は家族の形をテーマにした絵本がいっぱいあるので、それを数冊準備しています。パパとママと暮らしている人もいれば、おじいちゃんとおばあちゃんと住んでいる人もいるし、シングルファザー/シングルマザーの家庭もあれば、自分たちみたいにゲイファミリーもいる。小さいうちから、いろんな家族の形があるということを教えていきたいですね。

(写真/集英社オンライン編集部ニュース班)
(写真/集英社オンライン編集部ニュース班)