グラビアアイドルから実力派女優への華麗なる転身

7月3日には仲野太賀とのダブル主演ドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ)もスタートし、放送開始早々から大きな話題となっている。

同作は宮藤官九郎脚本の新宿・歌舞伎町を舞台にした“救急医療エンターテインメントドラマ”。作中で小池はアメリカ国籍の元軍医を演じているが、そのクセの強い役柄や、英語と岡山弁の“バイリンガル”ぶりがSNSなどで反響を呼んでいる。

そんな“実力派女優”として堂々たる風格が漂うようになった小池だが、デビューは「宇宙一のメロンパイ」というキャッチコピーのもと、“巨乳”を全面に押し出したグラビアアイドルとしてだった。

写真集「honeydew」(アクアハウス)
写真集「honeydew」(アクアハウス)
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1980年生まれの小池は、地元・下北沢で高校2年生のころにスカウトされ、“巨乳ブーム”の立役者・野田義治氏率いる芸能事務所・イエローキャブに入る。

当初、小池は女優志望で「水着はやらない」という条件だったが、野田氏によって約束はすぐに反故にされたという。そして、本人の意思とは関係なく、グラビアクイーンとして頭角を現していく。

しかし、小池はデビューから1年ほどで事務所に休業を申し入れた。当時の心境を、小池本人はこう語っている。

「不満がどんどんたまっていって。『やりたくない、やりたくない』って気持ちのまま、しばらくグラビアをやっていたんですよ。(略)私、何のためにやっているんだろうと思って、自分から『いつ復帰するかわからないけど、しばらく休ませてください』って言ったのが、グラビアをはじめて1年くらい。もう、仕事をやめようと思っていました」(「JUNON」2003年2月号)

フジテレビに設置されている「新宿野戦病院」の看板(読者提供)
フジテレビに設置されている「新宿野戦病院」の看板(読者提供)

しかし、「ここで投げ出したら何をやっても続かない」と思い直し、休業したのはたったの1ヶ月のみ。吹っ切れた小池は、グラビアだけでなく、人気番組だった『ウッチャンナンチャンのウリナリ!』(日本テレビ)などバラエティにも進出。

その勘のよさが芸人たちにも重宝されるなど、芸能界で知名度を上げていった。そして2002年、ついに念願の女優として舞台『ライアー・ガール』で初主演を果たす。

そんな小池が女優として飛躍するきっかけとなったのが、2008年に公開された主演映画『接吻』だった。豊川悦司演じる無差別殺人犯に惹かれる女性という難しい役どころを見事に演じた小池は、第63回毎日映画コンクール主演女優賞を受賞。

さらに2011年公開の映画『八日目の蝉』では、第35回日本アカデミー賞助演女優賞優秀賞を受賞した。

その後も『リーガルハイ』(フジテレビ)、 『マッサン』(NHK連続テレビ小説)、『姉ちゃんの恋人』(フジテレビ)、『鎌倉殿の13人』(NHK大河ドラマ)、『コタツがない家』(日本テレビ)など話題作に次々と出演。現在では女優として確固たる地位と評価を得ている。

「今でも現場では気遣いを欠かさず、ムードメーカーでスタッフ受けも抜群です。彼女が現場入りするだけで空気が華やかになる。しかも、台本のセリフはすべて頭に入っているという努力家の一面もある。

放送中の『新宿野戦病院』は医療ドラマということで現場では緊迫感が漂うこともありますが、小池さんは仲野さんとも息の合った様子で、会話も多く、現場を和ませています」(ドラマ制作関係者)