もし二重価格を導入したら…私たちの暮らしはどうなる?

二重価格の導入は簡単にはいかなそうだが、そうは言っても外国人観光客が急増する今、需要に合わせた経営で利益を上げたい店も多いはず。今後二重価格が浸透した場合、観光地に暮らす人々の暮らしはどう変化するのか。

「もし二重価格が定着し、それでも外国人客が押し寄せる状況になれば、店側としては安い価格でしか買ってくれない日本人を排除する動きが出てくるかもしれません。

そうなると観光地の物価は外国人ベースのものになり、物価上昇が加速するなど、日本人の生活を脅かす状況にもなり得るでしょう」

インバウンドへの「二重価格」導入がもたらす思わぬデメリット。「制度浸透で物価上昇が加速する」は本当か?_5
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――年々、外国人観光客が増えるとともに議論され続けている二重価格。「日本人は安く買えて、店の利益も上がる」というメリットだけではなく、その裏には外国人観光客からの反発や日本のイメージ低下、さらなる物価上昇など、さまざまなリスクが潜んでいた。

短期的なメリットを追い求めるのか、長期的なデメリットも加味して対策していくのか、二重価格の今後に注目したい。

取材・文/瑠璃光丸凪/A4studio 写真/Shutterstock