私信を暴露した鹿児島県医師会の“異様”な会見

「医師会はなぜそこまでするのか」

6月27日、鹿児島県医師会館で大西浩之・医師会副会長と立元千帆常任理事が2時間近く行なった会見は、剣呑な空気に包まれた。2人の幹部に直接そう問い質したのは、地元で最大の発行部数を誇る南日本新聞の記者だ。

複数の記者が疑問を呈したのは、2021年8~9月に新型コロナウイルス感染者の宿泊療養施設でA氏から強制わいせつと強制性交を受けたと訴えるBさんが、A氏と同年10~12月に交わしたとされるLINE・メッセンジャーのやりとりや通話記録を含む大量の資料を医師会が配布し、これをスライドで大写しする中で会見を進めたことについてだ。

6月27日に開かれた鹿児島県医師会の会見(写真/集英社オンライン)
6月27日に開かれた鹿児島県医師会の会見(写真/集英社オンライン)
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普段なら資料配布をありがたがるメディアだが、これに違和感を持ったのには経緯がある。

「Bさん側は2022年1月にA氏を刑事告訴し、医師会にも対応を求めました。これに対して医師会は同年9月、加害を否定したA氏の主張が正しいとし、性行為は『合意の上である蓋然性が高いと思慮される』という調査委員会の報告書を県に提出しています。

しかし県は、調査前から『行為が複数あった』『強制であったかどうか』などとBさんの訴えを取り合わない発言をしていた医師会理事が調査委に加わったことなどを挙げ、調査の進め方に問題があったと医師会に指摘し、当時から調査の公正性は疑われていました」(地元医療関係者)

県警は2023年6月になってからA氏を書類送検し、鹿児島地検は同年12月に嫌疑不十分で不起訴とした。Bさんは納得できないとして検察審査会に審査を求め、A氏に損害賠償を求める訴訟を起こしている状態だ。