現場は家賃5万円築30年の2LDKアパート

この男性が7月2日午後5時15分ごろ、「話したいことがあるので来てほしい」と110番通報したことから事件が発覚した。

遺体はそれぞれバケツのようなものに入れられ、死後相当な事件が経過しているとみられ、同署は司法解剖で死因や身元の特定を急いでいる。

現場は小田急江ノ島線湘南台駅から徒歩約15分程度の閑静な住宅街で、周囲は一軒家が多い。

事件のあったアパートは2階建で築30年以上経過しており、ネットで検索できる不動産情報によると2DKの間取りで賃料は約5万円だ。

近くに住む80代の女性はこう証言する。

一家が住んでいたアパート(撮影/集英社オンライン)
一家が住んでいたアパート(撮影/集英社オンライン)
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「通報された50代の男性というのは、2階に住んでいる方だと思いますが、今日の朝もデイサービスの方に連れられて出かけていますよ。もともとでっぷりと太っていたのが、今年になって何か病気をしたのか痩せ細って骨と皮みたいになってしまっています。

それで自力で歩けなくなったのか、このところは車椅子に乗っていましたが、通報はできたんだなって思いました」

男性の一家は10年以上前からこのアパートに住んでいるという。女性が続ける。

「あのアパートの入居者は、他は独身の方ばかりなんだけど、あの部屋には50代の男性と同年輩の奥さん、高校を卒業したくらいの年齢の長男、中学生くらいの次男と長女が住んでいました。

奥さんはごく普通の方ですけど、4年前くらいに大腿骨を骨折して入院し、退院後はデイサービスに通っていました。その頃は奥さんも車椅子に乗っていて、長男が車椅子を階段から降ろしているのを見たことがありました」

ベランダを出入りする捜査員(撮影/集英社オンライン)
ベランダを出入りする捜査員(撮影/集英社オンライン)

しかし、その妻も1年ほど前に亡くなったようだ。「一家」はそろって病弱だったというのだ。

「奥さんが亡くなったことは、近隣の方から聞きました。長男は体調が悪いのか施設に入っていて、土曜日だけアパートに帰ってきて一泊して、日曜日には施設に戻る生活をしていたのが見ていてわかりました。次男と長女は奥さんが亡くなった頃から見かけなくなりました」