「僕の逮捕はありません。借金についても2、3日中には返済するつもりです」

–––借金については、どうされるつもりですか?

そもそも仕事を辞めたいと思った理由のひとつに、あの会社がブラックだったということがあります。その日の仕事はその日のうちに終わらせないといけない、というのがあるのですが、僕らみたいな新人には絶対に無理なペース配分なんですよ。

なので早朝に起きて前日の積み残しをやってからその日の現場に行き、そこでまた(時間が)押して夜中2時まで仕事して……みたいな日もありました。

「ブラック企業だった」と主張する滝野氏(Aさんと滝野氏のLINE)
「ブラック企業だった」と主張する滝野氏(Aさんと滝野氏のLINE)

それだけでなく、週1回の休日にも社長から「現場に物を持ってきてくれ」などと電話がかかってきて、心が休まる日がありませんでした。

僕、本当に自殺しようと思っていたくらいキツくて。彼女に聞いてもらったらわかると思うんですが、キツすぎて、もう飛び降りようかなって当時は思っていました。

残業代ももらっていませんし、最後の月の給料も未払いです。お金を借りていることは認めますし、返す意思があることも書面で向こうに送っています。

ですが、あれだけ夜働いても残業と認められないうえ、体調も悪くなったというのがあるので、その部分は請求してもいいのかなと思っています。

–––最後にもう一度確認しますが、鍵を壊して事務所内に入ったのは事実でも、窃盗したわけではないということですね?

はい。僕は自分がやましいことをしたと思っていないので、逃げもしませんし、いくらでも聞きにきてもらってかまわないです。

そう大見得を切った滝野氏だが、言っていることに矛盾があったことも追記しておこう。このとき滝野氏は「捜査が終わるまで待ってほしい」とも話していた。

滝野氏の手、傷跡が痛々しかった(撮影/集英社オンライン)
滝野氏の手、傷跡が痛々しかった(撮影/集英社オンライン)

そして7月1日、捜査状況などについて尋ねるため、滝野氏に再度電話をすると「警察の捜査は終わりました。僕の逮捕はありません。

借金についても2、3日中には返済するつもりです。すべて解決して終わることを記事にするんですか?」と半ば開き直った様子だった。滝野氏としては「逮捕されなければ全てが問題ない」と主張したかったのだろう。

では球団としては今回のトラブルをどう考えているのだろうか。7月1日、広報に質問状を送ると以下の回答があった。

「本件については捜査中であり、警察に全てお任せしているので回答できかねます」

一方、内装会社社長は、こうした滝野氏の主張に肩を落とした。

「借金について滝野から返済日の連絡は来ていません。そもそも僕は彼に税金や家賃未払いがあったので金を貸したのですが、そこへの未払いも続いているようで、彼がウチを辞めた後も督促がきています。

滝野を受け入れたのも貧困などで困っている方を支援したいという思いが根底にあったからです。それを裏切られたのはとても悲しいです」

滝野氏が事務所の入り口につけたキーボックス
滝野氏が事務所の入り口につけたキーボックス
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7月、在宅で警察の調べが終わった滝野氏は検察に送致された。事件が起訴されるか、不起訴となるかは今後の検察の判断次第だが、“借金トラブル”が全て解決するにはまだまだ時間がかかりそうだ。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

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取材・文 集英社オンラインニュース班