「実際は地味でおとなしい人ですよ」

北川容疑者は石川県出身で金沢大法学部を卒業し、1985年に検事として任官。

外務省に出向して在中国日本大使館で一等書記官を務め、大阪地検特捜部や西日本各地の検察で主要ポストを歴任、大阪地検刑事部長、那覇地検検事正、大阪地検次席検事、最高検監察指導部長・刑事部長などを経て2018年2月に大阪地検トップの検事正に着任した。

約2年間の在任中には、学校法人森友学園への国有地売却に絡み決済文書改ざん疑惑を持たれていた佐川宣寿元国税庁長官らを不起訴処分にしたことで知られる。

元検事正の弁護士、北川健太郎容疑者(写真/産経新聞社)
元検事正の弁護士、北川健太郎容疑者(写真/産経新聞社)

「経歴は輝かしく、一部報道では『関西検察のエース』のように書かれていますが、地味でおとなしい人ですよ。大型経済事件で被疑者を落として成果を挙げるようないわゆる特捜検事タイプではありません。

今回の事件は2018年から2019年ごろ、検事正官舎内で酒に酔って抵抗できない状態にあった部下の女性に性的暴行を加えたという容疑。

在任中の容疑とあって上級庁の高検が捜査にあたったわけですが、5年も経ったこの時期に事件化していきなり発表したのには面くらいました」(社会部司法担当デスク)

北川容疑者は大阪地検検事正を最後に63歳の定年を待たずに退官した。すぐに弁護士登録し、大阪弁護士会に所属して弁護士法人中央総合法律事務所で専門知識を活かした「オブカウンセル」となる。

昨年4月からは国立大学法人神戸大学で非常勤の学外理事も務めるなど、順風満帆な第2の人生を歩んでいたように見える。