プーチン訪朝の本当の目的とは…?
ロ朝両国は17日、プーチン氏が18、19両日に訪朝すると発表したが、プーチン氏が専用機で平壌の順安国際空港に到着したのは19日午前2時すぎだった。
「18日夜の到着予定が数時間遅れたようです。プーチン氏の遅刻は日常茶飯事で、これまでもあちこちの首脳会談や国際会議で繰り返してきました。マウントをとるつもりかもしれませんが、ただルーズだという見方もあり、本当の理由はよくわかっていません」(国際部デスク)
金正恩氏は深夜まで待たされても空港のタラップの下まで出向いてプーチン氏を迎え、満面の笑顔で抱き合った。また、空港から迎賓館へ向かう道中にはプーチン氏の巨大な顔写真が張り出された。
「19日昼には平壌中心部の金日成広場で歓迎式典が行われました。会場には金正恩、プーチン両氏の顔写真が並びました。この広場で外国首脳の顔写真が出るのは極めて異例で、金正恩氏としては最大級の歓迎の意を表した形です。二人はその後、首脳会談に臨みました」(国際部デスク)
ロシアメディアによると、プーチン氏は会談冒頭、「ロシアは数十年間、米国や追従する国々の覇権主義、帝国主義と闘っている」と米欧への敵対感情をあらわにし、「今日(の会談では)、長期的な(ロ朝)両国関係の基礎になるあらたな文書(の調印)が用意されている」と発言。
新条約でロ朝関係をさらに深めると明言した。金正恩氏はロ朝が「新たな繁栄の時代に入った」と述べ、大喜びしている。
ただ、ロシア大統領府のウシャコフ大統領補佐官は会談に先立ち、両首脳は「もっとも重要でデリケートな問題」は通訳だけを交えた“非公式対話”で扱うと明言しており、二人の協議の核心部分が表に出ることはない。
では、核心とは何か。日朝関係筋が今回の会談の意味を読み解く。
「金正恩氏は、これまで北朝鮮に国際的な孤立をもたらしてきた国連安全保障理事会の制裁決議を無力化させる保証をプーチン氏から取りつけられると期待しています。
北朝鮮が安保理の締めつけを恐れる必要がなくなったと判断したとき、最優先課題に掲げている核戦力開発で、近年唯一“自制”してきた7回目の核実験の足かせはなくなります。
そうなればすぐにでも着手する可能性があると、日米韓だけでなく中国も懸念しています」
どういうことか。順を追ってみていこう。