元同僚は「空気の読めないところはあったよね」

この男性にとって、趣味に生きがいを見出す「同僚」はまぶしくもあった。

「そうして自慢されるたびに『こんなのに金かけてバカだな〜』と茶化してたけど、俺としてはやっぱり趣味に生きられる人って、うらやましかったんだよね。逆にあいつからは女性の話なんて一度も聞いたことないし、前職のころに結婚してることは知ってたけど、浮いた話も一切ゼロって感じ。

だから話の流れで、ある日に『実は最近離婚しまして...』と聞いたときは『ご苦労さん。車とバイクに夢中になりすぎたんじゃないの?』と言ってやったら、本人も気にする素振りもなく『ハハハ』と笑ってたよ」

和久井容疑者の愛車とバイク
和久井容疑者の愛車とバイク

そんなバイクと車のオタクに「異変」が起こったのは約3年前のことだった。

「配達途中にウチに寄ったあいつに『最近乗ってんの?』と聞いたら『乗ってるには乗ってますけど、そろそろ売るかもしれないです』と言い出したんだよ。

理由を聞いたら『もう年だし、近所を周るのもラクな車にしたいんですよね』とか『維持費も高いし、それだったら乗ってくれる人に乗ってもらったほうがいいかなって』とか言うもんだから、ちょっと感心したね。

だって車好きでも、乗らずにコレクションにする人も多いわけでしょ? そんななかで、乗ってもらえる人に車を譲ろうとしてると知ったときは『こいつは本当に車が好きなんだな』って思ったよね」

このとき和久井容疑者がA子さんにハマって貢いでいることは、同僚には一切感じさせることはなかったという。

「趣味に生きる人ってみんなそうだと思うけど、和久井はとにかく、一方的に自分の好きなモノについて話すというか、悪く言えば空気の読めないところはあったよね。

こっちの反応が薄くても、『この前、HONDAの青山一丁目のショールームで電動自動車を試乗してきたんですよ』とか『今度F1の上映会があるんですよね』みたいなことを永遠に話し続ける。

当時は給料をすべて趣味に注ぎ込んでいて、もうそれしか見えていない感じだった。だからキャバクラの女性に対しても、そうして前のめりになっていったんじゃないのかな。ましてや女性のために大好きな車やバイクまで売ったそうだし、それで騙されたというのなら相当思うところもあったんじゃないの」

いずれにせよ、25歳で命を奪われたA子さんの運命は悲しすぎる。

A子さん(本人SNSより)
A子さん(本人SNSより)

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班