コロナ禍後も根強い「職住近接」

一馬力であれば、郊外の住宅に住んで夫が長時間かけて通勤し、妻が家事・育児の全般を取り仕切るというライフスタイルも成り立ちましたが、夫婦で長時間通勤となると、特に子どものいる家庭では生活が回らなくなります。

そこで生まれたのが「職住近接」──つまり、職場の近くに住むというトレンドです

リモートワークが浸透したコロナ禍の影響により、多少風向きは変わるとも言われましたが実際は変わらず、職住近接志向には根強いものがあります。企業のオフィスはたいてい都市部にあるので、都心寄りのエリアにマイホームを求める人が多数派です。さらに駅からも近ければ、通勤・通学の時間を減らせます。駅周辺は大型商業施設などを建設できる商業地域に指定されている場合が多く、利便性はすこぶる高くなります。

駅周辺の立地では戸建住宅が少ないことから、マンションへの居住を選ぶケースが多くなります。このようにして、都心・駅近のマンションへのニーズが急増。不動産価格は、おもに需要と供給のバランスによって形成されるので、多くの人が求める物件は、必然的に価格が高騰します。

マンションは、戸建住宅を買えない人が住むところ? 上昇、なだらかに下落、無価値…日本の不動産市場で起きている「三極化」の現実_2

今、日本でもっとも不動産価格が高いのは東京の都心3区(港区・千代田区・中央区)で、駅周辺のマンションは新築も中古も非常に高額です。都心3区から少しずつ遠ざかっていくと、エリアごとに濃淡はあるものの、徐々に価格は下がっていきます。

離れすぎると職住近接ではなくなってしまうため、多少高くても都心から離れすぎないエリアで、背伸びしてでも物件を買おうとする人は多くなっています。完全テレワークの人などを除き、あえて郊外を選択する人は少なくなりました。