“席ガチャ”失敗で地獄の時間を過ごすことに…

「夜の21時頃、愛知県でライブを見てから東京に帰ろうとしているときのことでした。40代後半くらいの中肉中背の男性が隣の席に座ってきて、晩酌をはじめました。身動きを取るたびに私の身体に相手の肘や手の甲が当たるうえ、咀嚼音がデカいクチャラーで、食べカスもボロボロと床にこぼしたりと、マナーの悪い乗客だなと思ってたんです。

極めつけに、前座席のシート背面に土足のまま、足を突っ張るように立てかけて爆睡し始めたんです。『さすがにこれは、マナー終わりすぎでちょっと無理かも』と思い、車掌さんに頼んで席を変えてもらおうとしたんですが、私は窓側に座っていたため、通路への道を足で塞がれるかたちとなり、その場から離れることすらできませんでした。

そこで、車掌さんが来るまでなんとか待ってみたんですが、大きないびきをかくし、私のほうに何度もガックンガックン船漕ぎして寄っかかってくるしで、さすがに『やめてください』と、無理やり爆睡男性を起こして席を立ちました。結局、車掌さんを見つけて相談して、席を移してもらえることになりましたが、男性は酔って寝ぼけていたのか、起こされたときも『んあ?』みたいな感じの反応でした」(mizukiさん)

この男性はジャケットを着ていて、外見はしっかりした印象だったため、まさかこんな蛮行に及ぶとは想像しづらい人物像だったという。わざわざ隣に座られたAさんのケースとは違って、“席ガチャ”に失敗したケースだとmizukiさんは話すが、車内でのストレスは相当なものだったようだ。

写真/shutterstock
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「この世には自分の常識からはるかに超えた振る舞いをする人がよくいるけど、今回は特に『ドギツいのが来たな…!』と思いました。『男性に注意したい……本音を言うとボコボコに殴りたい』という気持ちはありますが、『喧嘩になったら確実に自分が負ける相手に対してリスクを負えない』『自分が殴って捕まるかもしれないリスクと、今我慢するストレス、天秤にかけたら後者だな、と。こんな人のために罪に問われたくない』といった気持ちが交錯して、スカッとしないやるせない気持ちを抱えたまま、その日を過ごすことになりました。せっかくのライブ後の余韻も汚され、『自分がインフルエンサーだったらその拡散力で大炎上させていたのに!!』という怒りに震えました」(mizukiさん)

4月19日のXのポストを発端に、今まで被害にあった女性たちがSNSなどで続々と声をあげているが、それに対して、男性ユーザーたちから心ない声が飛び交っている様子も目につく。この問題は一時のSNSでの注目で終わらせず、電車の痴漢問題のように、もっと社会全体でていねいに考えるべき案件ではないだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部