世界の有名アパレル企業と
渡り合うファーストリテイリング
ファーストリテイリングの業績を見ると、2023年8月期は2兆7000億円超の売上を挙げ、2024年8月期には売上高3兆円を超える計画です(図2-3)。では、グローバル企業と比較したとき、ファーストリテイリングは、どのくらいの規模になるのでしょうか。同社では、業界でのポジションとして、世界の主なアパレル製造小売業との比較を掲載しています。
ファーストリテイリングの掲載データは2023年8月時点とズレがありますが、売上高では、ザラを展開するインディテックス(5.16兆円、Inditex,S.A、スペイン)、H&Mのエイチ・アンド・エム・ヘネス・アンド・マウリッツ(2.99兆円、H&M Hennes & Mauritz AB、スウェーデン)に次ぐ、世界第3位です。
ただし、H&Mは現在、あまり業績が芳しくなく、事業の建て直しを進めているところで、2023年8月期も大きく業績を伸ばしたファーストリテイリングとの差はどんどん小さくなっている印象です。
実際に2019年には、ユニクロがH&Mに代わり、スウェーデンオリンピック・パラリンピック委員会とナショナルチームのユニフォーム制作を請け負うなど、H&Mの領域を侵食しています。
第4位は、かつてファーストリテイリングがSPAのモデルとしていたギャップ(2.33兆円、GapInc.、米国)。このほか、売上高1兆円超の企業としてCalvin Klein,Tommy Hilfigerを展開するPVH(PVH Corp.、米国)、ヨガのブランドとして急成長しているルルレモン(lululemon athletica inc.、米国)が名を連ねています。
あくまでもファーストリテイリングが考えるアパレル製造産業の時価総額ランキングですが、それを見ると、ファーストリテイリングは、インディテックスに次いで第2位。第3位がルルレモン。スポーツブランドとしての時価総額ランキングでは、アディダスを抜き、ナイキに次ぐ第2位のポジションに位置しています(図2-4)。
図/書籍『アマゾン、ヨドバシ、アスクル…… 最先端の物流戦略』より
写真/shutterstock