直ドラ猛練習で調子を取り戻す?
ハワイの「ロッテ選手権」での渋野のスタッツを調べてみると、フェアウェイキープ率(※パー3以外のホールでティーショットがフェアウェイにとどまる確率。主にドライバーショットの正確性を測る目安)は驚異の83.9%。56ホールのうち47ホールでフェアウェイキープをしている。やはりこの時点で渋野のドライバーは絶好調だったのだ。
一方、渋野は5月に一時帰国して参戦した「ブリヂストンレディスオープン」で予選落ちを喫している。予選2日目のフェアウェイキープはわずか4回。率にして28.6%と、ハワイのときとはまるで別人のようだ。それだけ状態が深刻だったのだろう。
予選落ちが確定した2日目のホールアウト後、渋野はドライビングレンジで1時間以上も直ドラの練習に打ち込んでいた。メディアには「やけくそで直ドラ打ちまくってました」と話していたそうだが、ティーアップしない、より難しい条件で練習することで、好調時のドライバーの感覚を取り戻そうとしていたに違いない。そして、その成果が今回の4戦ぶりの予選通過、17位という結果だったのだろう。
ところで、我々アマチュアは直ドラをしてもいいのか? タケ小山氏はこう言う。
「練習さえすればやってもいいと思いますよ。同伴プレーヤーから、『おおっ、アイツ直ドラやってるよ!』という注目を浴びるくらいの効果は期待できます」
やはりアマチュアは、渋野の直ドラを見るだけで満足しておいたほうが無難なようだ。
取材・文/志沢 篤