登場人物みんなが、ろくでなし
──丸山さんは今回、三浦大輔さんと初タッグを組みますが、『娼年』『愛の渦』『何者』『そして僕は途方に暮れる』『物語なき、この世界。』など、三浦さんの映画や舞台を何本もご覧になってきたそうですね?
丸山隆平(以下、同) 三浦さんの作品の魅力は登場人物がみんな、ろくでなしだというところ。現代という檻の中で必死にもがいて、自分の中の小さな革命を起こそうとしている人物が描かれているのが魅力的だと感じております。三浦さんの作る世界に入れるなんて思ってもいなかったので、とても光栄でうれしかったです。
──『ハザカイキ』で一番注目なのは、ふだん、取材される側の芸能人である丸山さんが、芸能記者を演じられることだと思います。
いやもう、どこからどこまでが芸能記者というのか、カテゴリ的にも曖昧ですし、霧の中を探るような感じです。もちろん、今回は撮る側の記者の心情と撮られる側の芸能人の心情は劇の中で欠かせない要素だと思うのですが、それ以上に大事なのは、記者がスキャンダルを世にさらしたことでどのような影響を及ぼし、どんなメンタルになり、どういう選択をしていくのかということ。
仕掛けた側と仕掛けられた側で起こる何かしらの摩擦が物語になると思います。物事の外側ではなく、人間の内面を描く物語を楽しんでいただければ。