モデルであることが、
麻雀業界でプラスとは限らなかった
芸能界は、競争の激しい世界です。そうした環境に長く身を置いていたからか、競い合う麻雀の世界も自分の性に合っており、だからこそ熱心に勉強にも取り組めたと思います。
しかし、一方で世間からの目は冷ややかでした。「モデルとして売れなかったから麻雀プロになった」、その逆で「モデル活動のために麻雀を利用している」など、心ない声が絶えなかったのです。
また、私を悩ませたのは世間の声だけではありませんでした。麻雀業界の中にも「実力がないのに、モデルだからプロになれた」「芸能人だから優遇されている」などと揶揄する人が一定数いたからです。業界の内外の板挟みになり、つらい思いをしました。
「麻雀プロを売れる道具として使うなよ」と思われても仕方がないと思っていました。
しかし、何度も言うように、当時の麻雀のイメージは決していいものではなく、モデルの仕事につながるようなキャラ付けにはなり得ません。芸能活動のマイナスになることもありますし、まさかモデルであることが麻雀界でマイナスになるなんて、思ってもいませんでした。
正直、ある時は「やっぱり世間のイメージ通り、麻雀業界って暗くて陰湿なんだな」とさえ、思ったことがあります。
少しずつ良くはなってきていますが、それでもいまだに芸能人というだけで色眼鏡で見られて、SNSやABEMAのコメント欄でひどい書き込みをされることがあります。
今でこそメンタルが鍛えらえて、誹謗中傷もかなりスルーできるようにはなってきました。しかし、今だから言えますが、以前は精神的にふさぎこんでしまったこともあります。
もちろん、麻雀の内容で修正できるところをすぐに修正することは大切です。それと並行して、まずは自分が何を求められているかを知り、その役回りをまっとうすることも同じくらい大切です。
また、麻雀プロには、麻雀の追究だけでなく、麻雀の楽しさをファンの方に知っていただくという、いわば広告塔としての役割もあります。
特に私に求められていると感じたのは、いかに麻雀やMリーグに取り組む姿勢を見せることができるか。そして、どれだけ不細工でもいいから勝った姿をファンのみなさまに届けること。このふたつだったと思います。
なんだか堅苦しいお話をしてしまいましたが、これは私自身の体験から得た、ひとつの学びです。私がなぜこのような境地に至ったのか。このあと詳しくお話ししていきますね。