本格的に受験勉強を始める高2の予備校費は?

高校2年生になると、さらに料金は変わります。高校2年生の講義は、高校1年生の1月から始まります。スタート学期として、高1の段階から高2の予習などを行うのです。そのため、高2も1年間受講すると考えると、1講座あたり6450円が1月から12月までの35講で、225750円かかります。もちろんこれは1コマの授業を通年とった場合なので、複数コマとると、それだけ料金は倍されます。

高校2年生からは多くの学校で文理選択が分かれますが、東京大学を受験する場合には、文系理系かかわらず、国語、英語、数学、社会、理科の5科目が必要になります。それぞれ1コマずつとったとすれば、225750×5=1128750円かかります。これに夏期と冬期の特別講習が入るので、高2の合計額は130万円ほどになるでしょう。

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受験勉強のイメージ 写真/Shutterstock.

高校3年生になると、なぜか同じ授業分数でも1講あたりの授業料が上がります。さらに、授業分数も180分授業が受講できるようになり、受験戦争が白熱してきたことを知らせてくれます。仮に対面型の180分授業を通年でとったとすると、1講あたり7950円が、スタート学期の1月から12月までの35講分で278250円となります。やはりこれも1コマ当たりの料金なので、実際はコマ数×278250円となります。

東京大学を文系で受験するのであれば、国語、英語、数学に加えて、社会科2科目(世界史、日本史、地理から2科目選択)と、理科基礎2科目(物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択)が必要になります。それぞれの科目について1コマずつとるなら、278250円×7科目で1947750円がかかります。

実際は、理科基礎など自習で済む科目は自習で済ませることも多いですが、国語、英語、数学、社会2科目くらいは多くの学生が受講しているでしょうから、高3の塾代は140万程度の出費を覚悟した方がいいでしょう。

ちなみに、150分授業や180分授業をやりすぎだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここには「東大文類数学」や「東大英語」「京大国語」などが含まれています。東大京大レベルの学校を目指す学生であれば、これらの授業から逃れられないと考えた方がいいでしょう。

もちろん授業分数が短くなれば、それだけ講座の値段は安くなります。あまり良い選択肢とは言えませんが、財布と相談して授業のレベルを一段下げることが視野に入る家庭もあるかもしれません。 

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家計簿のイメージ 写真/Shutterstock.

高校3年生の段階だけで200万がかかるシミュレートも可能であることに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。我々の想定している「塾代は年額100万円」が、実際のところは、むしろ安く見積もっていることにご納得いただけるでしょう。3年間通うと、学費とは別に200万~400万円がかかってしまう大学受験。

仮に私立高校に通いながら、河合塾や駿台予備校に3年間通うのであれば、高校の学費300万+塾代200万~400万と、最大700万円近くもかかってしまうことになります。

賢い方は気付かれているかもしれませんが、大学受験戦争において、資金的にネックとなるのは高校在学時の学費です。基本的にどの予備校や塾に通っても、大学受験コースになると値段が一気に跳ね上がります。そのため、仮に塾に通うとした場合、高校3年間の学費は中学3年間のそれを大きく上回る結果になります。