「ワタシ、ニホンゴワカラナーイ」
C容疑者のSNSを見ると、堀内容疑者と車を2台並べて洗車した思い出などをあげたり、「兄弟」と呼んでいる投稿もあった。その堀内容疑者は掛川市の出身で、実家の近くに住む男性はこう振り返った。
「彼のことは小さい頃に2、3度見たことがあるだけですね。小学生くらいの年代だったかな。ご両親と祖父母で一軒家に住んでいました。お父さんは日本人で会社勤めをしていて、お母さんはフィリピンの方だと思いますが、夜の飲み屋のようなところで働いていると聞いていました。
おじいちゃんとおばあちゃんが亡くなってから少しして、今から4年ほど前に浜松市のほうに引っ越しするというのは聞きましたが…」
母親は堀内容疑者の自宅と程近いマンションに暮らしている。22日、一部メディアに「逮捕を聞いてびっくりした。息子は絶対に(宇川さんを)殴ってない、撮影しただけ」と息子の無実を信じているという。
23日、記者がマンションを訪ねると偶然帰宅する母親に遭遇した。名刺を渡したが「ワタシ、ニホンゴワカラナーイ」と言葉を繰り返すのみで、早足で部屋に入ってしまった。
いずれにしてもフィリピンにルーツを持つ2人は浜松で出会い、浜松駅周辺で独自のコミュニティを形成していったようだ。
「浜松駅の中心部のストリートには、スケーターやトー横キッズのような小僧たち、外国人などいろんな若者コミュニティがあるけど、限度を知らない子が多いですね。
モメごとがあると集団で車の荷台に相手を拉致して、山の展望台やカメラのついてない駐車場なんかでビニールシートをかぶせてボコボコにしたり、防犯カメラのついてない駐車場とかでリンチするなど、ヤンキー漫画にでてきそうな話を今でも聞きます。
先日も10代のガキが美人局みたいなことをオッサンにして、3万円を巻き上げた上でボコボコにする“オヤジ狩り”もあった。堀内の仲間は捕まった5人以外にも何人かいますが『しばらくおとなしくします』ってSNSに鍵をかけて街中にも現れなくなった。ふだんからヤンチャなことしてますし、余罪や別件でパクられるのが怖いんでしょうね」(20代男性)
浜松市は古から遠江国の要衝として栄え、明治時代に産業振興都市として飛躍。戦後は数々の技術力の高いメーカーが本拠を置き、近年はその日系ブラジル人ら多数の外国人が工場労働者として支え、独自のコミュニティを形成する国際都市だ。
もはや国籍だけではアイデンティティの裏付けにもならないほど多様化した都市で、17歳の少年が「ファミリー」を自称するグループ内で殺されたのは時代のせいなのか。
#1「ゴミもタバコもポイ捨て、騒音もひどい上に『なんだテメー』とからんでくる…」亡くなった元バレーボール少年が最後に訪れたアパートは不良少年たちの“巣”。遺体発見現場との接点は?
#2「互いにファミリー、兄弟と呼び合っていた」逮捕された多国籍非行グループの正体。主犯格の21歳は「お金がない悪い子」と自虐するも愛車はレクサス
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班