同期からは“みっちゃん”と呼ばれ親しまれていた

4月1日から現社長の赤坂祐二氏(62)は代表取締役会長となり、現会長の植木義晴氏(71)は退任。そして、新社長に代表取締役専務執行役員の鳥取三津子氏が就任する。

鳥取氏は活水短期大学を卒業後、1985年に東亜国内航空(TDA。後に日本エアシステム〔JAS〕と名称変更し、2004年にJALと経営統合)に入社。CA出身で、社長就任会見では入社年の8月に起こった日航ジャンボ機墜落事故に触れ、「当時を知るものとして、安全運航を次世代に継承していく強い責任感を今も持っている」と語った。

「上昇志向が多いJAL社員のなかで、鳥取さんは決して自ら前に出ない人。辞令が出たのは1週間前だと思うけど、よくぞご決断してくれたという感じ。客室安全推進部長時代には社内無事故キャンペーンを推進したり、国交省などとの社外交渉を担当したご活躍も大きかったのではないでしょうか。就任のニュースは同僚のみんなが喜んでますよ」

4月1日から新社長に就任する鳥取三津子氏
4月1日から新社長に就任する鳥取三津子氏
すべての画像を見る

新社長就任の報道が出るやいなや、鳥取氏のCA時代の後輩である会田さん(仮名)はそう言って声を弾ませた。1986年にTDAに入社した会田さんは、鳥取氏とは多くの国際線での業務をともにした。

「何があっても常に冷静で、自ら前に出るタイプではないけど常に全体を見ていて、部下の仕事も『私がやっておくから』と助けてくれた。偉ぶることもなく、決して自分の体調や気分などで感情の起伏を表に出すことはありませんでした」

同じく鳥取氏の後輩だった元CAの河野さん(仮名)も言う。

「鳥取さんは本当に嫌味がなく、大奥のようなCAの世界において、敵も、悪く言う人もひとりもいなかった。同期のみなさんからは“みっちゃん”と呼ばれて親しまれていましたよ。なかには『生粋のJAL出身じゃないのに』なんて嫌味の声もあったかもしれませんが、今回の人事でJALとJAS、男性と女性、大卒と短大卒の垣根を越えた会社になった感じがして、誇らしく思います」