今の健康保険証は予定どおり「廃止」へ
やはり、廃止になるようだ。現行の健康保険証の話である。
12月12日、岸田文雄総理大臣は予定どおり2024年秋に今の健康保険証を廃止し、「マイナ保険証」に一本化することをあらためて発表した。
一方で、今年トラブルが続出したマイナ保険証に対しての、国民の不安は拭えない。
そもそもマイナ保険証は、医療分野でのデジタル化を進め、患者がよりよい医療を受けられるようになることを目的に導入された。しかし、ここでいう「よりよい医療」とはどんなものだろうか。
利用者は、本人が同意すれば、過去の自分の診察記録や服薬データを提供することができる。従来の保険証では、過去に受診した医療機関の診察内容を把握するには、本人の記憶や「おくすり手帳」などを確認するしかなかった。マイナ保険証では、こうしたデータを集約し、医療機関や自身がオンラインで閲覧できるようになる。
また、転職をしたときに新しい健康保険証を作り直す必要もなくなる、という利点もある。さらに、医療費の手続きもデジタル化されるため、確定申告の手間は減り、医療費の自己負担額が高額になった場合も、自動的に計算され、上限を超えた支払いは不要になる。
医療全体として見た場合も、医療現場の負担が減り、効率化されることで、医療費の適正化につながると期待されていた。