本当に個人情報は漏れないのか?
デジタル庁の調査によると、マイナンバーカードをつくらない人の理由の第1位は「情報流出が怖いから」、第2位は「申請方法が面倒だから」、第3位は「マイナンバーカードにメリットを感じないから」でした(2022年1月25日~2月4日)。
政府は「マイナンバーカードは安心」と言いますが、やはりマイナンバーカードについて、人々が感じている最大の不安はセキュリティなのです。
そしてセキュリティの問題は、マイナンバーカードの利用範囲が広がれば広がるほど、普及すれば普及するほど増大していきます。
マイナンバーに関しても、当初は利用範囲を社会保障、税、災害対策の3分野に限定していたのに、わざわざ法改正して、もっと多くのところで使えるように利用範囲を広げていこうとしています。
しかも日本の場合には、マイナンバーカードで、医療情報に限らず、印鑑証明や運転免許証、パスポートまで、すべて管理できるようにしていこうというのですから、なりすましやハッキングにあえば、ひとたまりもなく個人情報が丸裸になるという事態が起きます。
さらに、そこに民間業者まで絡んでくるため、事態は複雑かつ収拾困難になる可能性があります。
ICチップにはどんな情報が入っている?
それがどういうことなのか、わかりやすく説明しましょう。
政府は、「マイナンバーカードは常に携帯してください」といいます。そして、たとえ落としたとしても、それほど心配ないというアナウンスを繰り返しています。
総務省のサイトを見ると、「マイナンバーカード」のICチップには、プライバシー性の高い情報は入っていないし、マイナンバーを見られても他人は悪用できないと書いてあります(図7)。だから、持ち歩いても大丈夫だというのです。
確かに、ICチップの中には、プライバシー性の高い情報は入っていません。ただ、このICチップは、個人情報の扉を開ける鍵ですから、この鍵で開けた先のマイナポータルには、個人情報がたくさん入っているのです。
そして、このICチップと4桁の暗証番号があれば、本人になりすまして簡単にマイナポータルに入ることができるのです。