「二度と姿を現さんって言うから表に出さず自分たちで処理した」
瑠奈容疑者を捜査線上に浮上させた「有力な動機」について、祖父(修容疑者の父)は当時、集英社オンラインにもこう詳細な証言を寄せていた。
「瑠奈は結婚もしたことないし、男大っ嫌いなんさ。私が知る限り男に対して家族以外に気を許してるのを見たことないからな。そういう特殊な性格を持った子なんだ。そうだよ、瑠奈はレイプされてるんだよ、あの男に。女装で女の格好してたから瑠奈は女だと思ってたの。それで2人でいいところあるから行こうって言われてラブホテルに入って、入った途端に相手は男になったわけさ。出会ったのはカラオケなのかディスコなのかそういうところだと聞いています」
祖父は「レイプ事件」がいつ起こったかまでは聞いていなかったが、修容疑者と妻がAさんと話し合いの末、「処理をした」と聞いていた。
「俺は2人に『なんでそのときに警察に言わなかったんだ』と厳しく言ったんだけど『本人がもうやらん、二度と姿を現さんって言うから表に出さず自分たちで処理した』と。修も奥さんも、決着がついたと思って安心してたんだろう」
しかし、Aさんは約束を反故にして瑠奈容疑者に連絡を取ってきた。祖父が続ける。
「今回瑠奈が会いに行ったのは、正直殺すつもりだったんだと思う。修と浩子さんが被害者に話をつけて2度と現れないと言ったのに現れたから。レイプ自体はそりゃあ許せない。けど殺すのは別問題だろ」
祖父が瑠奈容疑者も含め、息子一家と最後に顔を合わせたのは3年前で、「レイプ事件」も含めた一連のてんまつを聞いたのは父娘が逮捕された当日のことだったという。
「浩子さんが電話してきたんさ。家宅捜索に入っていろいろなものが出てきたから『父親と娘は逮捕します』と道警に言われたみたいだ。あのとき、浩子さんは怪我をしてて別の病院にいたんだが、自宅には報道陣が押し寄せるからってホテルに移動してたんだよ。そこのホテルの電話から私に電話してきた。私は事情を聞いて、浩子さん自身もいずれ逮捕されることはわかってるんだろうと思った。だが、『あんたがしっかりして2人を支えなきゃならんのだから頑張れ』としか言えなかったよ。ひどくがっかりした様子だった……」
祖父の予感通り、浩子容疑者もその翌日、逮捕された。そもそも瑠奈容疑者には持病があり、両親は娘を守るのに必死だったという。祖父はこう続けた。
「瑠奈は一人っ子で、発作を起こす持病があって、修も奥さんも守るのに必死だったのだと思います。瑠奈はふだんはおとなしくて普通の女の子で『こんな事あったんだよ』と日常のことを普通に話してくれる、本当にいい子なんですよ。しかし、発作が起きると何やるかわからない部分はありました」