#1
#2
#3
#4
#5
# 6

事件を簡単におさらいすると、7月1日、すすきののディスコで開かれたイベントに参加した男性が、女装姿で近くのホテルに入室、翌2日に浴室内で首を切断された惨殺体で見つかった。
北海道警捜査1課は札幌中央署に捜査本部を設置。司法解剖の結果、男性の死因は刺し傷にもとづく失血死だった。「首」は殺害後に切断、持ち去られたとみられる。この際、男性と一緒に入室して1人で先に退室したのが札幌市厚別区の無職、田村瑠奈容疑者(29)で、捜査本部は同24日、父親の修容疑者(59)とともに逮捕。翌25日には母親の浩子容疑者(60)も逮捕し、自宅への家宅捜索で男性の頭部が見つかった。

〈すすきの首切断から1カ月〉「欲しがるものはなんでも買ってあげた」溺愛する娘への暴行に“報復”か⁉ エリート一家が選択した最凶のシナリオ…精神科医の父は血が苦手で外科医を断念した過去_1
すべての画像を見る

殺害に関わったのは男性とホテルに入室した瑠奈容疑者とみられるが、修容疑者が事前に娘と一緒に量販店でノコギリなどを購入したことがわかっており、犯行計画に関与していたことが濃厚だった。一連の経緯については浩子容疑者も熟知しており、犯行は3人家族の“共同作業”だったことが判明した。

事件の発端は、女装愛好家の被害者男性が「女性」を装って瑠奈容疑者(29)に近づいたことだったとみられている。男性が殺害されている以上、立証するのは困難だが、瑠奈容疑者側の視点に立つと、女と思っていた男性に騙されてホテルで性的暴行を受けたことから、このリベンジ(復讐劇)が始まった可能性が高い。
性的暴行について「一家」は警察に捜査を任せることなく、両親が男性に「娘に二度と近づくな」と警告。一度は納得させたはずだったが、男性が再び接触を図ってきたため‥‥田村一家が男性を「殺害」した理由はこういうことだと見られている。

“ともちゃん”と呼ばれていたAさん
“ともちゃん”と呼ばれていたAさん

浩子容疑者は、北海道庁上川支庁勤務の公務員だった父と専業主婦の母のもとで、兄と2人きょうだいとして育った。旭川市内の実家の近所に住む女性が語る。

「浩子さんが高校生くらいのときに、ご両親とお兄さんの4人家族でこのあたりに引っ越して来られました。お父さんは上川支庁の税務課に勤めていて、お兄さんも優秀な方で公務員だと聞いてます。専業主婦だったお母さんは20年以上前に70歳手前にして脳溢血で亡くなりました。ごきょうだいが独立して家を出ておられていたので、お父さんはしばらく一人暮らしをしていましたが、7年ほど前にお亡くなりになりました。もう90歳を超えていたので寿命だったんでしょう。ご両親とも優しく和やかで評判でしたから、どちらの葬儀にも近隣の方たちが大勢、参列されました。お父さんは絵や陶芸が趣味で、定年退職後はご夫婦で地域の公民館に絵や陶芸を習いに行かれていました。浩子さんも絵が得意だと聞いてましたから、親子共通の趣味だったんでしょう」