古屋氏側の後継争いの思惑にも巻き込まれ
昨秋、今井氏は、共通の知人を通じて古屋氏の長男と面会。
「県議選に出たいんでしょ」と言う長男の話に、今井氏はすぐに乗った。長男を通じて、東京都内で古屋氏本人とも複数回面会した。12月には、東京都内で開かれた会合で、野田氏とも対面。「無理して野党にいなくていいから」と野田氏に声をかけられ、「自分も不安なときが多いので」と今井氏は心情を吐露した。
自民入りを画策する今井氏と、今井氏という強敵を取り込みたい古屋氏側で、トントン拍子で話が進んだ。ただ、古屋氏の周囲にも、さまざまな思惑がうずまく。
「建設業界を中心に、古屋氏の長男世襲ではダメだという声は根強い。こうした人たちにとって、今井氏は古屋氏の後継になりうる切り札です」(自民岐阜県連関係者)
「今後、古屋氏の引退の際には、古屋氏が推したい長男と、世襲反対派が推す今井氏とで、後継者争いになる可能性があります」(同)
ただいずれにせよ、現時点では古屋氏にとっても、世襲反対派にとっても、そして今井氏自身にとっても、今井氏の自民への移籍にメリットがあるという点では一致したということだ。
複雑に絡み合う思惑のなかで、今井氏が自民移籍で確実にしたいのは、目の前の岐阜県議選当選。しかし、思ったとおりに進むかは、不透明だ。