DAY1。天候に不安があったので、高速で一気に福井まで
過去3回の車中泊旅では、3つ目のルールとして「高速道路を使わない」という縛りを追加していた。
誰に頼まれたわけでもない勝手な旅なのだから、急ぐ必要はない。
高速道路のグレーの防音壁を眺めながら走って、いったい何になるのだろうと思ったのだ。
さらに(実はこっちの理由が大きいのだが)、ベーシックグレードの貨物バンである我がスズキ・エブリイは、3速ATの非力なエンジンを積んでいるので、時速90km以上で走ると、心配になるくらいの大きな唸りをあげるのだ。
だが車中泊旅にも慣れた4回目の今度の旅では、しかるべきところで高速道路をちゃんと利用しようと方針を改めた。
忙しい中でやりくりした6日間の限られた旅程で、一般道にこだわりすぎると、行きたいところにたどり着けないかもしれないと思ったのだ。
そして初日には一気に、東名高速道路〜名神高速道路〜北陸自動車道を駆け抜け、夜までには福井県に到達するという計画を立てた。
初日にここまで頑張るのには理由があった。
予報によると出発日の夜から1〜2日間、全国的に天候がかなり崩れる見込みだったのだ。
長い旅の間には、雨が降ったり槍が降ったりすることも想定済みではある。だが、やはり悪天候だと行動に制約がかかるので、そんな日にはひたすら車を走らせ、なるべく遠くまで駒を進める。
これが過去の車中泊旅で僕が得た、効率のいい旅の作法だったのである。