タレント性を高めるには「朝生」に出ればいい?

博士 あと今だから言うけど、参議院選挙後に、畠山さんにボクは(維新との)「反スラップ訴訟」を訴えたいがために選挙に出たんだからゴールはここではない。半年後の大阪市長選に出るかもよと。

畠山 ええ。おっしゃっていましたね。

博士 そのときは軍師をやってくれと。

前田 へえー。

畠山 ハハハハハ。それを聞いて「週刊プレイボーイ」に謎かけみたいな原稿を書かせていただきました。

博士 だけど現実は当選してすぐコロナに罹患し、回復したら『福田村事件』の撮影に入り、もうボロボロになっていくんだから人生はわかんない。なので、この映画に出てくる人たちのその後が気になって仕方ない。

前田 私もそうです、それぞれの。

博士 選挙ドキュメンタリーというすごい鉱脈を探り当てたなあと思いますよ。

「こんなアンフェアなことが許されるのか!」選挙に取り憑かれた“絶滅危惧種ライター”に引退撤回を決意させた、ある国政政党とのバトル【映画『NO選挙,NO LIFE』公開記念鼎談】_4
映画『NO選挙,NO LIFE』より

前田 あのう。これまで選挙と政治関係のドキュメンタリーをやってきたんですけど。さらに多くの人に観てもらいたいと思っていて。博士、名案は──。

博士 そりゃあ、畠山さんのタレント性を高めるということですよね。

畠山 えっ!? 

博士 これからは、自分は主役だと思って「朝まで生テレビ」とかに出て、怒鳴ったらいいんじゃない。

畠山 僕が? 怒鳴れるかなあ……。

博士 そこは(プロデューサーの)大島新さんから、どうやったら(大島)渚監督が降臨するのか教えてもらってください。ボクは「田原総一郎の民営化」というのを掲げて、バラエティ番組にバンバン出てもらったんですが。そういう意味で畠山さんをメインにした番組をネツゲンが作ればいいと思いますよ。『ヒルカラナンデス』(畠山を「師匠」と呼ぶダースレイダー&プチ鹿島によるYouTube番組)は、いまや選挙に関心のある人たちは必ず見るようになってきたし。

前田 なるほど、なるほど。

畠山 僕は、博士のように立候補した人にしか見えない風景があると思っているんです。どんなものが見えましたか?

博士 それはもう、圧倒的に「れいわ」のボランティアに感動していました。いろんな現場に行くとわかるじゃないですか。動員で集められている人たちとはちがって、のぼりがどんどん立って、人がひとりふたりと集まり膨らんでいく。なんとか社会を変えたいと利他的に動く人たち。母子家庭であったり、生活に困窮していたり。声を聞いていると切実なんですよね。本当に。仕事するんだという気持ちになったのは、あのときですよね。