親方が仕掛けた“ダサい”サウナからの脱却
――何に対しての「使命感」なのでしょうか?
親方 当時は今よりもっとサウナが「オジサンくさい」「ダサい」と若者から思われていて、そのイメージを払拭したいと考えていました。そんな気持ちもあって、まずはTシャツから始めて既存イメージからの脱却を図りました。
2017年には11月11日を「ととのえの日」という記念日に制定して、多くのファッション誌に取り上げてもらいました。思い返せばあの日がサウナとファッション、ひいてはサウナと若者を繋げることができた一番最初の日だったんじゃないですかね。
――親方が手掛けているサウナ事業会社「TTNE」の活動には、サウナ施設をランキング形式で紹介する「サウナシュラン」がありますが、SNSで毎年話題になりますね。
親方 「自己満だ!」といって叩かれることも多い企画なんだけどね(笑)。ただこれは単純にサウナ施設を紹介するだけではなく、裏の狙いがあって。当時は本場フィンランドで「サウナの魂」とも言われているロウリュができる施設が日本に5軒ぐらいしかなくて。
こうした施設を世の中に発信していくことで施設同士が競い合って、設備的にもデザイン的にもいいサウナが増えていくだろうという狙いがありました。実際のところ、サウナシュランがきっかけで、サウナ利用者の動員数もかなり増えたと思います。翌年には「サウナ―オブザイヤー」という形で、サウナに貢献した個人を表彰する企画も立ち上げました。
川田 「サウナ―オブザイヤー」はすごく素敵な活動だと思っています。サウナ施設は身近にあるけど、サウナのために活動している人同士って関わる機会がないじゃないですか。「この人のこんな活躍がアウトプットになっているんだ!」って知ることができたので、感謝しています。
親方 ずっと見ているのでね。「この人サウナのためにいい動きしているな」って。
――こうしたアウトプットをみて、「自分もこうなりたい」と背中を押された人も多いかもしれないですね。