玄氏の目標は「売掛禁止条例」の制定
その玄氏はホスト問題の現状についてこう話す。
「私のもとに寄せられるホスト問題に関する相談で多いのは、地方出身の18、19歳の娘を持つ親御さんから。おそらく上京してきて浮かれ気分の女子大生をターゲットにする悪質なホストが一部にいるのでしょう。
以前であれば18、19歳は未成年のため、売掛金は取り消しによって支払いを免れることができた。それが2022年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられて、それができなくなってしまいました」
そもそも売掛制度自体に、玄氏は疑問を呈す。
「ホストクラブの売掛は、クラブや料亭などのように、店と客の信頼があって成り立つ“本来の売掛”とは似て非なるもの。18歳や19歳の女の子を相手に色恋を仕掛けて、口約束でひと晩50万円や100万円の支払いをさせてしまうことが許されていいわけがない。
だから私はまだまだ判断能力が未熟な25歳以下の青少年に対しての『売掛禁止条例』を作りたい。これは私がやるべき最後の仕事だと覚悟を決めています」
2000年に東京都で「ぼったくり防止条例」が、2013年に新宿区で「客引き防止条例」がすでに施行されている。「売掛禁止条例」がこれに続くことができれば、ホストクラブによって悲劇に陥る女性を減らせるかもしれない。
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取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班