編集部:
アベさんって防災の本の他に防災セミナーや講師の活動をされているんですよね。
アベさんが防災に力をそそぎ続けられる原動力って何ですか?

アベさん:
一番は2011年の東日本大震災のときに感じた無力感なんです。
自分の生活にいっぱい、いっぱいで何もできないのが悔しかったんです。
家も家族も無事で若くて元気だったので、被災地ボランティアとか泥かきボランティアに行って、少しでも何か役に立ちたかったんですが、1歳7ヵ月の長男を抱えて行くのは難しくて何もできないままでした。

震災後に自宅で続けられる防災を試行錯誤して、自分なりの最適解が見え始めた頃、2016年3月11日から、震災のときのこと、役に立ったグッズやアイデアをイラストにしてブログに記録し始めました。
その約1ヵ月後、熊本で大地震が発生してきっと5年前の私たちのように生活に困っている人たちがいる!!
そう思って防災のイラストをSNSに投稿したところ…とても大きな反響がありました。

<9月1日防災の日>災害が発生しても「何があっても3日間は生活できる」おうち防災とは? 東日本大震災被災者マンガ家が解説_1
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直接ボランティアに行くことができなくても役に立てた気がしたんです。
これがきっかけで私は防災の大切さをより多くの人に広める活動をライフワークにしたんです。あの日役に立ててなかった分になればと…。

編集部:そんな経緯はあったんですね。

アベさん:いつ発生するかわからない災害に対して防災対策を続けるってダイエットよりも難しいと思うんです。
なるべく日常生活に落とし込んで、防災対策が染み込んだ生活をすることで、ずっと続けることができて大地震のときに怪我をしない、水と食料に困らない、トイレの心配がない人がどんどん多くなったら間接的にですが、人命救助ができると思ってます。

<9月1日防災の日>災害が発生しても「何があっても3日間は生活できる」おうち防災とは? 東日本大震災被災者マンガ家が解説_2

津波の浸水エリアや土砂災害が心配なエリアではない人ほど防災に力を入れたら、救われる命が増えると考えると防災へのモチベ上がりませんか?

できることからでいいので、「おうち防災」をはじめていただければと思います。