スポーツからダイバーシティ&インクルージョンに貢献

人生で最優先に考えているのは家族。それを踏まえて「自分が経験してきたスポーツの力を伝えていきたい」と谷さんは言います。願うのは、障がい者を含むさまざまな人に対してオープンなコミュニケーションができる社会を育むことだと言います。

「私が義足で道を走っていても、あれ何?と気軽に質問してくれるような社会であってほしい。息子を遠征に連れていくのも、私と一緒に大会を見ることで、国や人種、性別、障がい、さまざまな人がいることに気づくはず。そんな経験がとても貴重だと思っています。それをきっかけに隠したり恥ずかしがったりせず、オープンなコミュニケーションができるといいですね。

【私のウェルネスを探して】パラアスリート谷真海さんが明かす「東京五輪への複雑な思い」「競技・仕事・家事育児のバランス」_g

スポーツからダイバーシティ&インクルージョン(多様な個々の違いを認め、尊重すること)に貢献できたらと思います。この数年、講演をしていると、子どもたちの目線を通じて、オリンピックすごい! パラリンピックすごい!と思ってもらえることも増えました。そんな子どもたちが作る世界が、すごく楽しみなんです。障がいのある人に対する壁のない世界、そのための活動を続けていきたいと思います」

谷真海さんに聞きました

身体のウェルネスのためにしていること
“毎朝欠かさずスムージーを飲む”


「3年前にバイタミックスを買ってから、毎朝欠かさず夫がスムージーを作ってくれています。グリーンの日はほうれん草やレモン、赤の日はトマトやパプリカ、ビーツ、黄色の日はニンジンと黄パプリカ。3年も続いているのは、おいしいからこそ。ほぼ完成形に近づいていますが、いかにおいしく作れるかを研究しています」

心のウェルネスのためにしていること
“自然の中で体を動かす”

【私のウェルネスを探して】パラアスリート谷真海さんが明かす「東京五輪への複雑な思い」「競技・仕事・家事育児のバランス」_h
書籍『パラアスリート谷真海 切り拓くチカラ』より。撮影/矢吹健巳[W]

「自然の中で体を動かすことが好きです。トライアスロンは、もともと自然の中でやるスポーツですが、東京だとそれが難しい。合宿で石垣島を拠点にすることが多いのですが、海があって自然が豊かな場所で体を動かすと、心の底から心身が解放され、普段は気づかない緊張から解きほぐされます。数カ月に1回は、そんな時間が持てたらいいなと思います」

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【私のウェルネスを探して】パラアスリート谷真海さんが明かす「東京五輪への複雑な思い」「競技・仕事・家事育児のバランス」_h

撮影/高村瑞穂 ヘアメイク/久保フユミ(ROI)  取材・文/武田由紀子

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