スリルや興奮をほしがる「ギャンブル遺伝子」があった

あなたは、ギャンブルに興味がありますか?
ギャンブルが好きだとしたら、のめり込むタイプでしょうか?

競輪、競馬、パチンコ……ギャンブルと呼ばれるものは世の中にいろいろあります。
仕事にだって、ギャンブル(賭博・博打・賭け事)の側面があります。たとえば、新しい事業に挑戦するときなんかは、ある種の「ギャンブル」をしているとでもいえるのではないのでしょうか。

「ギャンブル遺伝子」を持っていると、賭け事で大損し人生終わってしまう人もいるでしょうが、一方では仕事で大成功する人がいるかもしれません。
経営の神様と呼ばれる松下幸之助は、〝一か八か?〟のギャンブルに近いことを創業当時にしています。

1917年、幸之助は自分の起こした会社において資金は100円足らず、機械も買えない状況で「ソケット」に注目します。少ない資金繰りで、周囲から「そんなの売れるはずがない」と大逆風のなか、幸之助は賭けに出ます。ある意味、無謀なギャンブルに近いかもしれません。やがて「ソケット」は完成しました。
しかし予想どおり、まったく売れず。資金が底をついても彼はあまりショックを受けていなかったようです。ギャンブラーが大損をしても「次こそは!」という心境だったのかもしれません。周囲は幸之助を心配しました。「この人は大丈夫だろうか」と。
ついに銭湯に行くお金もなくなり、夫人は「お風呂のことは忘れさせる」ように苦心したといわれています。幸之助は大の風呂好きだったのですね。どんな状況でも入浴して気分転換し、幸せを感じていたのかも。

幸之助は深刻になることなく、ソケットの改良に夢中になっていたといいます。なにかこの時点では、ギャンブラー魂あふれる博打師のような気がしてなりません。
さらに何年か後「電池ランプ」を考案したものの、まだロウソクや灯油で灯していた時代、どの問屋にも相手にされませんでした。そこで、幸之助は一世一代の大博打に出ます。なんと勝手に1万個を量産して〝無償で〟問屋に置いて回る作戦を敢行したのです。この無謀な作戦が失敗すれば、会社はつぶれてしまいます。

しかしその後は……いまのパナソニックがあるわけです。幸之助がギャンブル好きかどうかは不明ですが、人生は大ギャンブルそのものだったのではないでしょうか。

スリルや興奮を好む人は「ギャンブル遺伝子」を持っている? 才能や性格は遺伝子のせいというのは本当なのか_3