すべては遺伝子のせい?!#1
すべては遺伝子のせい?!#3

「ドM遺伝子」がある人は打たれ強い
ない人は心が折れやすい

2022年、プロ野球が開幕してまもない4月10日、ロッテの佐々木朗希投手が28年ぶり、史上最年少で完全試合を達成し、おおいに盛り上がりました。加えて、13者連続奪三振を奪い、64年ぶりにプロ野球記録を更新したのです。
佐々木投手の投球には終始ほれぼれしましたが、試合中はどんな心境なんでしょうか。回が進むにつれ、緊張でガチガチになりそうですね。試合後、完全試合について問われると、「正直あまり意識してなくて、打たれたらそれでいいかなと思っていた」と答え、プレッシャーは感じなかったといいます。なんという強心臓!

いつだったか、こちらはバッターですが、あるプロ野球選手の話を聞いたことがあります。9回裏の二死満塁、ホームランを打てば逆転勝ちという場面。そのバッターは、そういうときがたまらなくて、「ここで一発打って、明日の朝刊1面だ! そしたら、オレ、ヒーロー! オレにまで回ってこい」と念じているそうです。 

2022年サッカーワールドカップ、日本の躍進には感動しました。ベスト8を前に、クロアチアにPK戦で惜敗したのは残念です。そんな試合の勝敗を分けるPK戦。
たった一人、ゴール前に立つキーパーの重圧は大変なものでしょう。
日本代表で守護神として活躍したゴールキーパー川口能活さんは、2004年のアジアカップ準々決勝でPK戦に臨みます。3人目まで相手にゴールを決められ、4人目からはすべて止めないと日本の敗退が決定する、まさに崖っぷちの場面でした。

そのとき、川口さんの中で、なにかが吹っ切れ、「スイッチ」が入ったそうです。
それから4人連続でゴールを許さず、勝利しました。まさに「ゾーンに入った」状態で、スタジアムの音や声も何も聞こえなかったといいます。最大のピンチで持てる力のすべてを出し切る、強い気持ちが導いた結果だったのですね。

もう一人、2006年トリノ冬季五輪のフィギュアスケートで、日本人初の金メダルとなった荒川静香さん。じつは演技の途中に大きなミスがあったそうですが、「まぁ、いいや」と開き直り、次の演技に集中し、華麗なイナバウアーにつながったそうです。
こちらも、ピンチへの向かい方が勝利を呼んだのでしょう。

本番にめっぽう強いのが、一流のアスリートに共通した特徴かもしれません。ピンチと思われる場面こそ、ふつうでは考えられない、ものすごいパワーが発揮できるのではないでしょうか。ある意味、本番を楽しめる本番力の持ち主です。

ピンチに強くて打たれ強い「ドM遺伝子」ってナニ!? スポーツ選手に多くあるといわれる「忍耐遺伝子」のヒミツ_1
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