「煙も虫もどんと来い! われらハヤブサ消防“劇”団」ドラマ『ハヤブサ消防団』放送記念 池井戸潤 キャスト大座談会_1
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「煙も虫もどんと来い! われらハヤブサ消防“劇”団」ドラマ『ハヤブサ消防団』放送記念 池井戸潤 キャスト大座談会_2
ハヤブサ消防団
著者:池井戸 潤
定価:1,925円(10%税込)

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癒しを求めて田園地帯に移住したミステリ作家・三馬太郎(みまたろう)が、地元消防団の一員となり、町を揺るがす一大事件に直面する……。
現在、テレビ朝日系列で絶賛放送中の連続ドラマ『ハヤブサ消防団』は、作家・池井戸潤さんの異色ミステリーが原作。自然豊かな風景の中で展開する物語を輝かせているのが、主演の中村倫也さんをはじめとする個性と実力を兼ね備えたキャストの熱演です。ダイナミックな消防シーンをはじめとした名場面は、どのようにして生まれたのか? まるで劇団? と思えるほどに息の合った面々の、知られざる素顔とは。池井戸さんが「こんな取材、はじめてだ……」と目を見開いた、前代未聞の大人数座談会をお届けします。

構成/大谷道子 撮影/大槻志穂

田園発・SDGsなドラマ?

――ドラマ『ハヤブサ消防団』のセットが組まれた都内某スタジオ。6月下旬のこの日は、中村倫也さん演じるミステリ作家の主人公・三馬太郎と消防団一同が、山本耕史さん扮する担当編集者・中山田洋(なかやまだひろし)を居酒屋で迎える場面が撮影されていた。本番終了後、セット内に原作者の池井戸潤さんが登場すると、消防団の面々からはやんやの喝采が……。

池井戸潤(以降、池井戸) 皆さん、お疲れさまです。お邪魔しております。
中村倫也(以降、中村) いえいえ、ようこそ〜。
一同 ようこそ〜(拍手に指笛)。
梶原善(以降、梶原) どっちかっていうと、僕らが作品にお邪魔しているようなものですから(一同、笑)。
池井戸 普通に飲み会のように見えるのは、さすがですね。中村さんは作家役がはじめてだと伺いましたが、若い作家が自然にそこにいる感じがしました。
中村 わー、恐縮です。でも、それがですね……思い返したら、はじめてじゃなかったみたいなんですよ。
一同 えー!
中村 いろいろやりすぎてて、わかんなくなってました。すみません。でも、太郎は新参者で、僕もずっと皆に壁を作って冷たく接してたので(「ホントかよ!」とあちこちからツッコミ)、いつハヤブサ地区に馴染むんだろう? と思っていたんですが、今日の居酒屋の場面で「あ、もう馴染んでたんだ」って感じました。
満島真之介(以降、満島) 毎日楽しいよねー! 僕、普段からとても元気なんですけど、実は藤本勘介(ふじもとかんすけ)のように明るい役をやるのは珍しいんです。池井戸さん原作の映画『アキラとあきら』(’22年公開)ではちゃんとした銀行員の役をやらせていただきましたが、あのときも現場ではうるさかったです(笑)。今回は男性陣で最年少なので、先輩たちの力を借り……(見回して)あれ、皆、なんで静かなの?
中村 騒ぐと誰がしゃべってるかわかんなくなっちゃうじゃん。
満島 あ、そうか。とにかく、頑張らせていただいてます!
岡部たかし(以降、岡部) これまでロケでほとんどアクション作品の撮影のようだったのが、こうしてスタジオに来て、ようやく自分のキャラで話せた気がしています。居酒屋で皆で丁々発止の会話をして、ようやく自分というか、徳田省吾(とくだしょうご)の居方がわかったというか。
梶原 そうだよね。消防団員は自営業者の人が多い中、僕の演じる森野洋輔(もりのようすけ)は唯一の役場勤め。人間的にも立場的にもわりと普通の人で、そんなにはっちゃけられないタイプなのかなと思っています。
中村 森野さんは仲裁役が多いですよね。「まーまー、まーまー」って。
梶原 副分団長だしね。(プロデューサーから「後半、ブチ切れますよ」とコメント)そうなの? じゃあ頑張らないと。
橋本じゅん(以降、橋本) えー、分団長・宮原郁夫(みやはらいくお)役の橋本でございます。僕らの年代になりますと、だいたい現場に行ったら最年長ということが多いんですが、今回はその年代の役者をこれだけ集めていただきまして、何というか、すごくSDGsな現場だなと。
一同 ハハハ!
橋本 年上らしくしなくちゃというプレッシャーがまったくなく、魂が解き放たれたような楽しい毎日を送っております。

「煙も虫もどんと来い! われらハヤブサ消防“劇”団」ドラマ『ハヤブサ消防団』放送記念 池井戸潤 キャスト大座談会_3
居酒屋さんかくに大集合!(左手前から、山本さん、橋本さん、岡部さん、満島さん、池井戸さん、中村さん、梶原さん、生瀬さん)