#1のつづき

周りが清濁あわせのみながら大人になっていく中で…

――奥田監督の映画って大衆ウケとか、今っぽいとか、社会の価値感に合わせて作るみたいなものを感じなくて、嘘がないですよね。

ラッパー・呂布カルマ(奥)と映画監督・奥田庸介(手前)
ラッパー・呂布カルマ(奥)と映画監督・奥田庸介(手前)
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奥田 やっぱり嘘くさいのが嫌いなんですよ。みんな本音をのみこんで、清濁あわせのみながら社会に順応して生きているわけなんですけど、自分はそれを拒否して今に至るので、やっぱり映画にも反映されると思いますね。

――呂布さんはアンダーグラウンドで活動しながら、最近ではACジャパンのCMをはじめテレビにも出たりしています。そういうところは、どう折り合いをつけているんですか?

ACジャパンのCM「寛容ラップ」
ACジャパンのCM「寛容ラップ」

呂布 僕は創作とテレビに出ることとは完全に分けているので、そこはあんまり関係ないですね。あと、テレビでも素のままでいけたんで、それはめちゃくちゃラッキーでした。

奥田 昔、映画の撮影中に顔面騎乗位の話とかしてたじゃないですか。髭を剃るときは顔騎をするときっていう話を聞いて、呂布さんがテレビに出てると……。

呂布 髭の有無を……。

奥田 はい。あっ、これは顔騎をしたのかなって……。

呂布 いや、それはもうだいぶ若い頃の話なんで(笑)。全然関係ないですけど、歳をとったせいか髭がずっと硬くて、クンニをするとしても邪魔だし、これ何なんだろうと思ってたんです。で、最近知ったんですけど、髭って頭髪よりも爪の成分に近いらしいですね。

奥田 そうなんですね。

呂布 それを聞いて、女の子と遊ぶ前に爪を短く切るっていうのと、顔に座ってもらう前に髭を剃るっていうのはイコールなんだなって。なんか自分の中で腑に落ちたんですけど、これは書かないでほしいです。