世界的な半導体技術者不足の問題

世界的に半導体工場が建設ラッシュとなっている。それとともに、半導体技術者をどうやって確保するかは世界的な問題となっている。例えば、日本政府が誘致して建設が着工されたTSMC熊本工場では、1‌7‌0‌0人の社員が必要とされており、その募集が始まっているが、思ったように技術者が集まっていない。 

そもそも、日本には半導体技術者が何人いるのだろうか。また、かつて日本が半導体の世界シェアの50%超を独占していた頃には何人の技術者がいたのだろうか。 

さらに、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、2‌0‌2‌2年5月18日に発表した提言書『国際競争力強化を実現するための半導体戦略』のなかで、JEITAのステアリングメンバー8社において、今後10年間で3.5万人の半導体人材を必要としている、と述べている。それはどのようにすれば実現できるのだろうか。

なお、上記の8社とは、東芝デバイス&ストレージ、マイクロンメモリジャパン、キオクシア、ソニーセミコンダクタソリューションズ、ヌヴォトンテクノロジージャパン、三菱電機、ルネサスエレクトロニクス、ロームで、ラピダスはこの中には入っていない。 

#1『圧倒的世界シェアだった日本の半導体があっという間に駆逐された理由…過剰品質信仰に潜んでいた罠』はこちら

#2『シェア貢献ほぼなし、経産省が国民の税金を無駄遣い…おめでたい日本人が大歓喜する半導体メーカーTSMC熊本工場の不都合すぎる真実』はこちら

半導体有事 (文春新書)
湯之上 隆
2023年4月20日
1,045円
256ページ
ISBN:978-4166613458
アメリカが中国に突きつけた異次元の半導体規制。このままだと中国の半導体工場はやがて稼働できなくなる。追い詰められた中国が狙うのは、世界のトップ企業、台湾のTSMC――。世界中が半導体製造能力をめぐる競争に駆り立てられているなか、日本は再び失敗を繰り返すのか? 新会社ラピダスのいう、「2027年までに2ナノの最先端半導体をつくる」なんてできっこない!
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