タイプ④拒む親

このタイプは、自分のまわりに壁をつくっている。子どもといっしょにいたがらず、1人でやりたいようにすごせるのが何よりの幸せと見える。

子どもは、自分がいないほうがいいんだと思っている。そばに行くと親がイライラするからだ。うれしくて走っていったのに目の前でいきなりドアを閉められたようだったと表現した人もいる。

この手の親は、愛情に満ちたやりとりや心の交流に引きこまれそうになるのを拒む。しつこく迫られれば、怒るか悪態をつくことさえあるだろう。ひどい暴力もふるいかねない。

4つのタイプの中ではもっとも共感力も低い。精神的に親密になるのがいやだと伝えるために目を合わせないことが多く、あえてうつろな表情や敵意のこもった目で見つめて相手を遠ざけることもある。

1日に5回かかってくる母親からの電話、気にくわないとただ怒鳴る父親…いつまでも子どもを苦しめる“幼稚なままの親”の特徴とは_4
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万事自分中心

また、自分の望みを中心に家庭を支配している。無関心で恐い父親がよい例だ。子どもに温かく寄り添うことがない。万事自分中心で、家族は本能的に父親の機嫌を損ねないようにする。こういう父親といると、子どもは単純に自分の存在を申し訳なく思う。だがもちろんこれは父親にかぎったことではない。

子どもは自分が、親をわずらわせ、いらつかせていると考えるようになる。

精神的に安定した子どもは、親にねだったりすねたりして望みをかなえていることが多いのに、親に拒まれる子どもはなんでもあきらめてしまう。それが大人になったときに深刻な影響をおよぼしかねず、自分の欲求を容易に伝えられなくなる。

実例:子どもとのコミュニケーションもいやがる

Nさんの母親は娘とすごすのがうっとうしくてたまらなかった。

Nさんが会いにいっても、抱きしめるのをいやがり、すぐさまNさんの外見に何かしら文句をつけた。Nさんが部屋に足を踏み入れるや、親戚に電話をしろとせっつくのがつねだった。とっとと追いだしたいかのようで、Nさんがいっしょにすごそうと言おうものなら、イライラして、お前は親に頼りすぎだと怒った。

#1『親へのイラつきや不信感は、あなたのせいじゃない。有無を言わせず子どもを自分の都合に巻きこむ“精神的に未熟”な親の4タイプ』はこちら

『親といるとなぜか苦しい 「親という呪い」から自由になる方法』(東洋経済新報社)
リンジー・C・ギブソン (著)、 岡田尊司 (監修)、 岩田佳代子 (翻訳)
2023年5月24日
1,650円
288ページ
ISBN:978-4492224106
\ 全世界で大共感の声50万部突破 /

「親のために努力し続けて、しんどい――そんな自分に気づき、涙が止まりません」
「共感できることがありすぎて、すべてのページにマーカーを引きたい」
「未熟な親のもとで育ち、自分を大切にする方法を知らなかった私のために書かれた本」
「これほど人生が変わる本はなかった!」

見た目は大人だが、精神年齢は子どものままの親が子どもを苦しめる。
愛したいのに愛せない親を持つ人が「心の重荷」を降ろす方法

◆家庭環境は平凡です。だけど親が嫌いです
◆「本当にやりたいこと」が見つからない…
◆私は家族の落ちこぼれ?人生がむなしいです
◆恋愛が苦手。どうしていいかわかりません

こうした「生きづらさ」を抱える人は、
「自分がヘンなのではないか」と悩むことが多いでしょう。

でも、その原因が子ども時代にあるとしたら…?

あなたに呪いをかけ、いつまでもあなたを苦しめる
「見た目は大人、中身は子どもの親」の4タイプとは。

◆感情的な親……機嫌を損ねないかと周囲はビクビク
◆熱心すぎる親……子どもの気持ちを無視した「完璧主義」
◆受け身な親……見て見ぬふりで役に立たない
◆拒む親……冷たく無関心。なぜ子どもを持ったのか謎

「まわりの人たちは家族の愛やつながりを明るく語るのに、なぜ自分は孤独を感じるのか。
家族と仲よくしようとするだけで、傷ついたり無力感にさいなまれたりするのはなぜだろう。
親から受けたつらい思いや混乱から、どうやって子どもは立ちなおっていけばいいのだろうか。
本書ではその解決のヒントを提示する」

――著者 リンジー・C・ギブソン
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