東大医学部志願者の犯行動機は…

2022年1月15日、その凶行は日本の最高学府・東京大学農学部のキャンパスの目と鼻の先で起きた。

愛知県の名門進学校に通う高2の男子生徒(17歳)が刃物を手にし、突如として大学入学共通テストに向かっていた高校生ら3人に襲い掛かったのである。その場で取り押さえられた男子生徒は殺人未遂で逮捕された。その後の取り調べで、男子生徒は犯行の動機を次のように語った。

「医者になるため東大を目指して勉強していたが、1年くらい前から成績が上がらず自信をなくした」

検察はこの事件を重く見て、家庭裁判所ではなく、刑事裁判で裁くことを決めた。東大医学部を目指して名門校に通っていた男子生徒は、いつから、なぜ狂暴な犯罪者になったのだろうか。

あまり知られていないことだが、少年犯罪を個別に細かく見ていくと、教育によって押しつぶされた子供たちが少なからずいることがわかる。