いつまでも「幼稚なままの親」4つのタイプ
前述の研究結果を踏まえて、ここからはわたしが分類した4つのタイプについてみていこう。いずれのタイプにも顕著なのが、子どもに不安感をもたらす可能性だ。子どもの精神的な安定がどうむしばまれていくかはそれぞれ異なるが、共感がとぼしく、精神的なサポートができず、敏感性が低いのは同じだ。
またどのタイプにも、程度の差こそあれ利己主義が存在することも忘れないでほしい。ひどいときには、親が精神的に病んでいたり、心身の虐待をしている場合もある。
1|「感情的な親」
感情のままに行動し、過干渉かと思えば急に突き放したりする。不安定で、突拍子もないことをしがちだ。不安に圧倒されると、他者を利用して自分を落ち着かせる。些細なことで大騒ぎし、相手を、自分を助けてくれるか見捨てるかのいずれかとしてみる。
2|「がむしゃらな親」
異様に目的志向が強く、やたらと忙しい。他者を含め、あらゆるものを完璧にしようとせずにはいられない。しっかりと時間をとって、子どもの心にきちんと寄り添うことはしないのに、子どもの人生のこととなると、コントロールしたり口出ししたりする。
3|「受け身の親」
放任主義で、不安をかき立てられるようなことには一切かかわらない。有害性は低いが、独自の弊害をおよぼす。支配的な相手には一も二もなく従い、虐待やネグレクトもみてみぬふりをする。問題を避けたり黙認したりすることで切り抜けているのだ。
4|「拒む親」
そもそもなぜ家庭を持ったのかと思うような行動をする。精神的な親密さをよしとせず、子どもにわずらわされるのを露骨にいやがる。他者の欲求への耐性はほぼ皆無。彼らにとっての交流とは、命令し、怒鳴りつけ、距離を置くことだ。多少おだやかなタイプであれば、家族ごっこはするかもしれないが、あくまでも表面的だ。もっぱら自分の殻にこもって好きなことをしたがる。
そして、これら4つのタイプが混ざっている親もいる。通常ほとんどの親がどれか1つのタイプにおさまるが、ある種のストレスにさらされると、ちがうタイプにみられる行動をする親もいる。
そして、いずれのタイプにも共通する特徴があるのもおわかりだろうか。
彼らはみな、子どもが安心感を抱ける関係を維持できないのだ。もちろん、タイプごとに欠けている点はちがう。
#2『1日に5回かかってくる母親からの電話、気にくわないとただ怒鳴る父親…いつまでも子どもを苦しめる“幼稚なままの親”の特徴とは』はこちら