あなたの親は、あなた自身はどのタイプ?
「幼稚なままの親」4タイプの特徴
タイプ①感情的な親
4つのタイプの中でもっとも幼稚だ。自分はみんなから気にかけてもらい、大切にあつかってもらって当然だと思っている。かんたんにへそを曲げるので、家族総出でなだめにかかる。自分の感情が爆発すると、そこに子どもを巻きこみ、その強烈な絶望や怒りや憎しみをぶつける。家族は薄氷を踏む思いだ。
だが、不安定さがあまりにも極端であれば、精神疾患を患っている可能性もある。精神異常か双極性障害、自己愛性もしくは境界性のパーソナリティ障害かもしれない。
感情が爆発して収拾がつかなくなると、自殺や他者への暴力につながることさえある。周囲がおびえるのも当然だ。自殺の兆候は特に子どもを震えあがらせる。子どもは、親の命を守らなければという重荷を感じるが、どうすればいいかはわからない。ここまで極端でない場合は、おそらく演技性パーソナリティ障害や気分循環性障害だろう。いずれも気分の波が激しいのが特徴だ。
感情のバランスをとり、行動を調整することができない
この手の親はみな、ストレスや気分のアップダウンを上手にあつかうことが難しい。
成熟した大人ならば対処できる状況なのだが、彼らには感情のバランスをとり、行動を調整することができないのだ。薬物乱用のせいでバランスを乱し、欲求不満や不安の許容を一段と難しくさせている場合もある。
自制心の程度にかかわらず、彼らはあくまでも感情のままに行動し、万事を白か黒かで判断し、ひたすら根に持ち、情に訴えて相手を意のままにする。
気分にムラがあり、ああ言えばこう言うので、信頼できない上に威圧的だ。傍若無人に振る舞うくせに、自分は被害者だと思うのがつねで、家族はいつも振り回される。外ではたいてい、自分を抑えてきちんとした役割を果たせるのに、家族の親密な関係になると、これでもかと衝動的になる。
そして、子どもは他者の意に沿うようになる(ヤングとクロスコ、1993年)。
親の感情の嵐を気にしながら成長するので、他者の感情や気分を過剰なまでに推し量る。だから、自分の感情を犠牲にすることも多い。
実例:娘の家に無断で押しかける親
Rさんは40代の自立した女性だが、母親はなおも娘を自分の感情でコントロールしようとしていた。Rさんが病気で数日寝こんだときには母親から1日に5回も電話がかかってきたことがあった。
もう治っただろうと勝手に思われ、家にも押しかけられた。Rさんが来ないでくれと頼んでいたのにだ。そこでついに、ドアに施錠した。後日、母親に言われたそうだ。「あんたに締め出されて頭にきたから、ドアを壊そうかと思ったよ!」
母親は「お前が元気になったか知りたかっただけなのに」という言い訳を盾に、さも自分が傷つけられたようにふるまった。
だが実際に母親が気にしていたのは自分の気持ちだけで、Rさんのことなどどうでもよかったのだ。