チャレンジングだった価格設定
おいしさも新しさも話題性も申し分ない“楊枝甘露(ヨンジーガムロ)”だが、235gの小型ボトルで税込み378円という価格は、正直、割高感がある。このサイズ感の商品の多くが250円前後の中、300円を超える価格はチャレンジングだったという。
「蓋を開けてみると、東京都や神奈川県などの都市部を中心に販売が好調でした。最近は、お客様の嗜好が低価格帯と高価格帯に二極化してきている印象があります。付加価値がついているのであれば、高い商品でも欲しい方は買う。“楊枝甘露(ヨンジーガムロ)”に関してはまさに高価格帯の商品としてヒットしています。
毎日飲むものではないけれど、日常のご褒美としてちょうどいい。そのプレミアム感が受け入れられている理由のひとつだと思います」(石田さん)
現在、コストコ以外で手に入るのはファミリーマートだけ。いち早く流行をキャッチした感度の高い客層にとって、わざわざファミマに足を運ぶキッカケになっている。
ただし、台湾スイーツとして爆発的なヒットとなったタピオカと違い、一般的な知名度はまだ低い。“楊枝甘露”という字面を見て誰もが“ヨンジーガムロ”と読めるようになる時代が来るのかに注目だ。
取材・文/松山梢
写真提供/ファミリーマート