ファミリーマートの強みは“先取り感”
コンビニを選ぶ理由の多くは自分の生活圏との親和性にあるが、取り扱う商品そのものの魅力が吸引力となり、今では「わざわざ行く」場所にもなっている。
“生コッペパン”“ファミマ・ザ・クレープ”“フラッペ”などヒットを連発しているファミリーマートは、わざわざ行くコンビニの筆頭だ。
ラインソックスで知られるアパレルブランド“コンビニエンスウエア”や、コンビニコスメ“sopo(ソポ)”なども展開し、新たなトレンドまで生み出している。
ファミリーマートのこうした“先取り感”の要因はどこにあるのか。広報部の寺岡良輔さんに聞くと、「新しいアイデアを受け入れるムードがある」との答えが返ってきた。
「2020年にCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)に就任した足立光は、過去にもさまざまな話題性のある企画を仕掛けたヒットメーカーです。とがった企画も積極的に提案、実践し、社外に広めています」
プライベートブランド“ファミマル”の“縦型ビッグサイズ 横浜家系豚骨醤油ラーメン”を手がけるなど、多くのヒット商品を担当してきた経験のある商品本部地区MD部の石田照雄さんは、取引先との密なコミュニケーションはもちろん、社内の連携も世の中のムードを先取りする大きな要因となっていると語る。
「競合他社に負けない商品開発や品揃え、個性による差別化は、お客さまに足を運んでいただくための重要なポイントです。ファミリーマートでは、売り場や品揃えを担当する商品企画部という部署が、毎週、トレンドなどの情報をキャッチし共有してくれています。それらを踏まえて、自らもアンテナを張ってトレンド情報に興味を持ち、現場を見て情報を収集することで、世の中への変化対応ができていると思います」