発売3か月で120万個を達成。発売当日、女性客の熱意に驚いた
こうして準備を進めていき、発売日の2週間前に情報解禁。次いで、ロムアンドが中心となり、美容インフルエンサーなどのKOL(Key Opinion Leader キーオピニオンリーダー)にサンプリングを実施。着実にいい初動をつくるための下地づくりを行った。
こうした取り組みが功を奏し、アンドバイロムアンドの発売前から、SNS上で大きな話題を作ることができたそうだ。
そして、発売当日の0時には、全国のローソンにアンドバイロムアンドの商品が陳列され、なかにはこの時間を狙って買いに来る女性客もいた。
「深夜0時には、店頭に並んでいるはずのアンドバイロムアンドが、お店によっては陳列が間に合っていないところもあり、『お店の裏にあるはずなので、商品があるか確かめにいってもらえますか』というお客さまもいらっしゃるほどで。
これは今までにない現象で非常に驚くとともに、それだけブランドへの熱量が高いと感じるきっかけにもなりました。私自身も、発売日の夕方ごろに都市部にある複数のローソンを回りましたが、すでに在庫切れで品薄でした。この勢いは本当に想像以上だったと今でも感じています」
結果としては3日間で30万個を売り上げるという、異例のヒットにつながった。
だが、「こうなることは想定外だった」と振り返る浅岡氏は「アフターコロナの人流回復の影響を大きく受けている」と、出だし好調の理由を分析する。
「コロナ禍が以前と比べて落ち着いてきたことで、口元のメイクをする機会が増え、いわゆるリバイバル需要が増え、購買につながったと考えています。特に首都圏エリアの売上が高く、商品別では抜け感やオシャレ感を演出してくれる『グラッシーバーム』や光沢感が魅力的な『グラッシーボムティント』といった口元を彩るアイテムが人気となっています」
発売当初こそ、品薄状態が続いていたが、現在は供給量の調整を図り、安定した販売を継続できているという。
ブランド開始から3か月で累計販売数120万個を達成し、急成長を遂げるアンドバイロムアンド。今後の目標としては「ローソンの“顔”になる商品にしていきたい」と浅岡氏は期待に胸を膨らませる。
「ローソンと言えば、スイーツやからあげクンが有名ですが、新たな主力商品としてアンドバイロムアンドを育て、ついで買いから“目的買い”されるようなブランドへと成長できるように、これからもチャレンジを続けていきたい」
コンビニコスメ市場は、まだまだ伸びしろがあると考えられる。
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取材・文/古田島大介