“脱コンビニコスメ”を掲げ、「目的買い」される商品を目指した

開発期間にかけた時間は約1年間。

価格帯、化粧品のサイズ感、販促の仕方など、コンビニ業態に最適化したコスメを模索した。

「まず、ローソンは韓国に展開がないので、『コンビニとしてどういう特徴があるのか』をロムアンドに伝え、理解してもらうことから始めました。そこから、“脱コンビニコスメ”を目指した化粧品ブランドの開発をするために、さまざまな試行錯誤を繰り返しました」

ロムアンドの通常価格は1000円〜3000円ほど。だが、この価格帯のままだと、コンビニコスメとして販売するには高い設定になってしまう。いかに間口を広げ、手に取ってもらいやすくするかを考えた際に、ロムアンドの特長である発色の良さや品質はそのままに、気軽に試せるトライアルサイズとしての商品化を考えた。

グロッシーリップティントのサイズ感
グロッシーリップティントのサイズ感

また、コンビニコスメを陳列する什器にも最大限ブランドの世界観が表現できるように、3社でこだわったという。

ドラッグストアやバラエティストア、デパートといった小売店では、ブランドの世界観を表現できる売り場づくりがしやすい一方、コンビニでは棚の一角にしかコスメ商品を置くことができない。

そのため、プラスチックに入れて商品をただ陳列するのではなく、専用の紙製パッケージに商品を横向きに入れ、デパートのような陳列方法を採用した。さらに、売り場に商品の見本を貼り付け、箱の中身がわかるような工夫も凝らした。

これはローソン史上初の試みになっているそうだ。

陳列する什器にもこだわりがある
陳列する什器にもこだわりがある

「アンドバイロムアンドの売り場に関しては、「~𝑺𝒎𝒂𝒍𝒍 𝒉𝒂𝒑𝒑𝒊𝒏𝒆𝒔𝒔 𝒊𝒏 𝒚𝒐𝒖𝒓 𝒅𝒂𝒚~」というブランドコンセプトのもと、什器を見るだけで幸せを感じてもらえるような雰囲気を意識しました。これまでのコンビニコスメは、急なお泊まりやコスメを忘れたときの『緊急需要』がメインでしたが、アンドバイロムアンドを目的に来店する『目的買い』を目指したんです」