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「人間・曽我部恵一」に興味を持って始動

サニーデイ・サービスは、1990年代に「渋谷系」の一角を成すバンドとして一世を風靡。解散、再結成、メンバーとの死別などを経て、現在も活動を続ける3人組だ。

彼らを追った映画『ドキュメント サニーデイ・サービス』(7月7日公開)を監督したのは、カンパニー松尾(57歳)。自らカメラを持って女優と絡む「ハメ撮り」の手法を確立し、独自の“ロードムービー的AV”で熱いファンを持つAV監督だ。

レジェンド監督カンパニー松尾が「サニーデイ・サービス」のドキュメンタリーを撮影 ナレーションは小泉今日子で小宮山雄飛ら10人以上がコメント…「●●撮り手法」も採用?_1
カンパニー松尾
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「俺はAV監督を35年間続けているんですけど、もともと音楽が好きで、90年代からパラダイス・ガラージの豊田道倫さんのライブドキュメンタリーを撮ったりしてたんです。

その豊田さんと接点があったのが、サニーデイ・サービスの曽我部(恵一)さん。俺は最初のCDから買っているファンなので、あいさつをしたことはあったんですけど、仕事に結びつくことはなかったんです。

それがつながったのは、2019年。昔、MV(2001年『ブロッサム』)を撮った川本真琴さんから直電が入ったんですよ。『新曲のMVを頼みたい。曽我部さんが走るだけのMVを撮ってほしい』と。

突飛な依頼だけど、アーティストの直電は断れない(笑)。雇われ監督と出演者として、曽我部さんと仕事をしました」

レジェンド監督カンパニー松尾が「サニーデイ・サービス」のドキュメンタリーを撮影 ナレーションは小泉今日子で小宮山雄飛ら10人以上がコメント…「●●撮り手法」も採用?_2
曽我部恵一/『ドキュメント サニーデイ・サービス』より

そこで興味を持ったのは、「人間・曽我部恵一」だった。曽我部はヴォーカル&ギター、ソングライターとして多くの名曲を生み出した鬼才で、リスペクトするミュージシャンや文化人も多い。

「アーティスティックな人だと思ってました。でも、違うんですよ。『何で、この仕事を受けたんですか?』と聞いたら、『何でも受けるんですよ。ギャラをもらえるなら』とか言っていて、『この人、面白いな』と(笑)。普通の人間というか、ちゃんとした“人”なんだなと思ったんです」

そして、『劇場版BiSキャノンボール2014』などで仕事をともにしたSPACE SHOWER FILMSのプロデューサー・高根順次氏に、長編ドキュメンタリーの企画を持ちかけた。

レジェンド監督カンパニー松尾が「サニーデイ・サービス」のドキュメンタリーを撮影 ナレーションは小泉今日子で小宮山雄飛ら10人以上がコメント…「●●撮り手法」も採用?_3