若い世代にこそ聴いてほしい、
あの時代の自由でユニークなバンドの数々


1980年代半ば、いわゆる“インディーズ(自主制作)ブーム”が起こり、パンクやニューウェーブ系のアンダーグラウンドな邦楽バンドが大量発生した。

ブームの中核にいたいくつかのバンドはその後メジャー展開し、今でもよく知られるほど有名な存在になったが、その他の大部分のバンドはいつまでもマイナーなままだった。
あるいは一時的にプチブレイク状態になりながら、インディーズブームに続くバンドブームの収束とともに、再びアンダーグラウンドへと戻っていったバンドも多かった。

それこそ時代の徒花というべきなのかもしれないけど、とにかく自由でユニークで心踊らされるバンドが多かったあの頃のインディーズシーンを、僕は忘れることができない。
あのバンドもこのバンドも、このまま歴史に埋もれさせてしまうのはあまりにもったいないと思ってしまう。

そういえば昨今、TikTokを駆使するZ世代の間で、昭和後期や平成初期の意外な曲が、突如バズる現象が頻発している。
だったら、僕が大好きだったあの頃のパンク&ニューウェーブ系のバンドや曲が、再び脚光を浴びる可能性も、なきにしもあらずではなかろうか。

そんな勝手な妄想をふくらませ、1980年代にリリースされた数多のインディーズ系音源から厳選し、“今の若い人に紹介したい”“バズったらいいのに”という目線で、知る人ぞ知る名盤を10枚ご紹介したら、意外に大きな反響があった。

シティポップの次にくるのはコレ! バンドブーム前夜=1980年代邦楽インディーズ時代の名盤10選

そこで、第二弾をお届けしようという次第です。


1980年代インディーズシーンの熱狂を伝える写真展(Action Portrait-GIG-Photo by Gin Sato 2017 10/28-11/5)に展示された、GHOULのライブ写真
1980年代インディーズシーンの熱狂を伝える写真展(Action Portrait-GIG-Photo by Gin Sato 2017 10/28-11/5)に展示された、GHOULのライブ写真
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今回紹介するのは、僕と同世代で同じ趣味を持つ人にとっては、「何を今さら」と思うものばかりかもしれないが、今までまったくこういうものに触れていない人に紹介するつもりで選んでいることをご承知いただきたい。

また前回の記事を見て、恐らく僕と同年代で当時のシーンに詳しい人から、「あれを取り上げないなんて」「このバンドを忘れたか」という不満の声がいくつか寄せられた(例のヤフコメで)。
だが、こっちとしては「うっせーな!」という気持ちだ。
だってそうでしょ?
紹介したい音源は何百枚もあり、そのいずれも愛すべきポイントがあって甲乙つけがたいと思いながら、紙幅の都合上、涙を呑んで10枚に絞っているこっちの身にもなってくれ(まあ、好きで勝手にやってるんだけど)。

ブツブツ文句言わずに行ってみますか。

今回も厳選10枚。
順位なんかつけられないので、並びは単純にバンド名の五十音順だ。