3年の服役で1000万円超の功労金が支払われることも

刑期が短い組員で懲役3年だが、禁止令の期間は組員が出所してから5年。違反すれば命令を出した組長らに3年以下の懲役、もしくは250万以下の罰金が科されることになる。つまり、服役中の組員らにとっては、カラダの懸け損だったことになる。

「今までは、抗争にからんで服役したら、組によって出所するときにはかなりまとまった額が出た」と話すのは、指定暴力団組織の関係者T氏だ。

「組織のために実刑判決を受けて服役している者には各組が毎月、積立している金がある。金額は組や肩書、地位によって変わるだけでなく、事件によっても異なる」

この「積立金」というのは功労金や慰労金のことだ。禁止令が出なければ服役中の組員らは、いったいどれぐらいもらえたのだろうか。

「組によって異なるが、抗争と準抗争で金額が変わる。組員は抗争で月に30万円、準抗争で10~15万円が相場」とT氏。抗争とは六代目山口組と対立組織の争いを指し、準抗争は山口組傘下の各組と対立組織の争いのことだ。
抗争にからんで懲役3年の実刑となれば、30万円×36ヶ月(3年)で1080万円になる。出所後にまとめて渡す組もあれば、差入れ金の形で毎月のように渡す組もあるという。だが、この金は確約されているわけではない。

※写真はイメージです
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「組によってきっちり積立し面倒を見る組もあれば、そうでない組もある。
所属している組が末端の弱小で、資金力がない場合はいくら積立できるかわからない。
積立金は所属している組員が負担し、組員10人の組が毎月10万円を差し入れるなら、1人あたりの負担は1万円、それが何年も続く。負担は大きい」(T氏)。

何百人と組員がいれば1人あたりの負担は微々たるものだが、新型コロナでシノギがなくなった組は、積立金どころか組が消える可能性すらある。