「60歳でまた性欲が戻るんじゃないかと期待」 

最後に話を聞いたのは、6000本以上のAVに出演した伝説のマッチョ男優、チョコボール向井氏(56歳)。男優を引退後の2017年、脳卒中に倒れ、左手足に麻痺が残るも、幡ヶ谷で「chocoball family」というバーを経営している。 

現役時代は6000本以上のAVに出演したチョコボール向井氏 
現役時代は6000本以上のAVに出演したチョコボール向井氏 

「僕の中では40代がピークで(射精は)10回1セットが当たり前。42歳で現役引退する前までは、1日最大3現場をまわり、その撮影の合間にセフレの家で休憩がてら一戦するような暮らしでした。

そして51歳のときに脳卒中を起こし、左半身に麻痺が残って一時期は勃起力さえも失いましたが……結果的によかったと思っています」

何がどうよかったというのか。

「AV男優として絶頂期だった30代は年収2000万円以上で、ロレックスを買っていい部屋に住んで、ベンツを年に1回は買い換えるような贅沢三昧の生活。

40代でプロレスラーになって、新宿二丁目で店を始めたら暴飲暴食の日々で、自分の体なんて顧みなかった。

それが大病を患って自分の体と向き合えるようになったんです。

勃起力が戻ったのはここ2、3年。麻痺が残ってる右側の力がないからなのか、右曲がりなんですけど……これはこれでいいのかなと(笑)」

かつての性欲を失った向井氏。現在は食生活に気づかい、健康づくりのための毎日ジムに通っている。

「シュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)が『パンプ(筋トレで筋肉が大きくなること)はカミング(性交渉のこと)だ』と言っていて、若い時はその言葉の意味がわからなかった。でも今ならわかります。筋トレは筋肉の勃起だと!」

そう話す向井氏だが、密かに「60歳になったらまた性欲が戻るんじゃないかと、淡い期待を抱いてます」と笑う。

老いてこそ人生。向井氏はまだまだ男として壁を突き破る可能性を信じている。