テストステロン分泌量と性欲の関係性
これまではアダルトシーンで活躍する男たちの声を拾ってきたが、一般男性はどのようにこの“壁”に挑むべきなのか。
内科泌尿器科の「マイシティクリニック」の院長で男性の健康寿命に深くかかわる男性ホルモン「テストステロン」の研究者として、熟年期障害の治療や高齢者の健康を守る取り組みを数多く実践してきた平澤精一先生に聞いた。
「男性の性欲や意欲の低下は男性ホルモンである“テストステロン”の減少が原因です。
10代後半〜20代前半をピークに減少し始め、40代に入るとその分泌量は急激に下がります。
これは生物学上、避けられない宿命です。その結果、意欲、やる気、性欲なども一気に減退する。
ただし、同じ40代〜50代でもテストステロンの分泌量が下がらないように意識して生活すると、比較的その現象をおさえることができます」
そのテストステロンの減退を抑えられる生活習慣とは?
「普段からテストステロンの維持・上昇を意識した生活を送ることです。
具体的には、
『喫煙や深酒をしないようにする』
『ロードバイクのような前傾姿勢になる自転車に長時間乗って前立腺を圧迫しないようにする』
『タンパク質、ネバネバ食品を取り入れたバランスのいい食事と質のいい睡眠を心がける』
これらを意識することで、テストステロン値が維持されやすくなります」(平澤先生)
また、テストステロン値を上昇させるために重要な栄養素が亜鉛だ。
「亜鉛の含有量が最も多い食べものは牡蠣。亜鉛はサプリでも補うことができます。
それとアスタキサンチンという抗酸化物質の摂取も大事。アスタキサンチンは緑黄色野菜や果物に多く含まれるビタミンCや、サーモンの赤身、エビやカニなどの赤い甲羅に含まれており、老化予防の効果が実証されています」
エロの第一線にいる猛者たちでもぶつかってしまうほど、50代のとって性欲の壁は高く険しい。
だが、いつまでも現役でいようという気持ちこそが、男にとって大事なのかもしれない。
取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班