見事にへこんでしまったグラフ

親子イベントを訪ねた翌年の2017年のこと。

「うわっ、やっぱり見事にへこんでるね~」

そのグラフを見た私は、思わず声をあげました。私が勤務する文教大学教育学部の学生2人が、親の養育態度を「親自身の自己評価」と「子どもから見た親の客観的評価」という2つの角度からあぶりだす調査を開始。5つの領域で10項目に分かれた心理検査(TK式診断的新親子関係検査)の第1回目の結果に、目を見張りました。

・親が子を拒否する態度である「不満」「非難」
・親が子に対し支配的になる「厳格」「期待」
・親が過度に世話を焼き、過保護といわれる状態になる「干渉」「心配」
・親が子に服従するような態度になる「溺愛」「随順」
・親が子に伝えたことと、実際の行いが異なる「矛盾」「不一致」

『高学歴親という病』より
『高学歴親という病』より

グラフをよく見ると「干渉・矛盾・溺愛」の3つがぺこんと落ち込んでいる

検査の平均値を表したのが十角形のグラフです。得点が低いほど子育てに問題があることを示しています。50パーセンタイル(統計の代表値)より上は安全域とされ、その方の子育てはOKです。20~50パーセンタイルは中間域。20パーセンタイルより下は危険域なので、子育ての見直しが必要です。

グラフをよく見ると「干渉・矛盾・溺愛」の3つがぺこんと落ち込んでいることがわかります。協力してもらった親子は6組と数は少ないものの、この3つがとくに低く、危険領域に近くなっています。

上述したように「干渉」は口出ししすぎる、世話を焼きすぎること。「矛盾」は、親の言動が子どもから見ると矛盾に感じてしまうこと。最後の「溺愛」は字の通り、猫かわいがりして過度に甘やかすことです。