スマホやSNSは、お酒やたばこ、薬物などに匹敵する「依存物質」
あなたの脳を蝕むドーパミン依存
近年、「スマホ脳」「SNS依存症」「テクノ依存症」といった言葉を、よく耳にするようになりました。
これらはいずれも、「スマホやSNSを常にチェックしていないと気がすまない」「時間のムダだとわかっていながら、スマホを操作してしまっている」といった状態を指しています。
実は、スマホやSNSは、お酒やたばこ、薬物などにも匹敵するほどの「依存物質」なのです。
人間の脳内では、アドレナリンやセロトニンといったさまざまな神経伝達物質が分泌され、思考や行動に影響を与えていますが、目的を達成したときや他人から褒められたとき、おいしいものを食べたとき、ギャンブルやゲーム、あるいはセックスなどに夢中になっているときに分泌されるドーパミンも、その一つです。
ドーパミンが分泌されると、脳の前頭前野が興奮して、幸福感や満足感を覚えるため、「もう一度、その幸福感を味わいたい」と思うようになります。
そのため、ドーパミンは「脳内麻薬」とも呼ばれています。
ドーパミンにはやる気を起こさせ、集中力を高める働きがあります。
努力を重ね仕事や勉強で成果を上げたときや、いいことをして人に褒められたりしたときにドーパミンが分泌され、「もう一度、あの幸福感を味わいたい」と思ったなら、人はさらに努力したり、いいことをしたりしようと考えるでしょう。
一方で、ギャンブルやゲーム、甘いもの、アルコール、薬物などによってドーパミンが分泌された場合、人はそれらの刺激や快楽を繰り返し求めるようになります。
しかも、同じ刺激では徐々にドーパミンの分泌が減少するため、脳はさらに強い刺激を求めるようになります。
ギャンブル依存症の人やアルコール依存症の人が、どんどん賭かける金額やお酒の量
を増やしていくのは、そのためです。