理想のレース展開は先行・逃げ切り

――今年で5年目。振り返ってみていかがですか。

あっという間でしたが、最初に思い描いていたキャリアは築けていないので、反省の方が多いです。1日、1日を大事にして、もっと濃い時間にしていかなくちゃいけないと思っています。

「“まやくん、ゆまちゃん”と呼び合う仲です」サッカー日本代表吉田麻也選手の親戚のガールズケイリン選手・高木佑真。タイプの男性は「アスリートです!」_3


――ファン投票で選ばれる「アルテミス賞」に、2度出走しています。

1度目(2021年)は、脚力も上がってきて、成績も上向いている時期だったので、「頑張ります!」「応援してください」と素直に言えたんですけど、2度目(2022年)のときは、成績が落ち込んで悩んだり、凹んだりという時期だったので私でいいのかな?というのもあって…ちょっと複雑でした。

――ガールズケイリンは、勝つことより、負けることの方がはるかに多い競技なので、悩んだり、凹んだりの繰り返しなんでしょうね。

負けることに慣れるのも大切なことだって言われるんですが…私には無理です。負けたときは、毎回、凹むし落ち込みます。

――そこからどうやって気持ちを持ち直しているんですか。

負けてすぐは、気持ちを落ち着けるために自転車の整備をして、ある程度落ち着いてから、ひとり反省会をします。それでもダメなときは、食べます。とにかく食べてスッキリしてから寝るようにしています。

――食べたいだけ食べていると、体重も気になるのでは?

そこが難しいところですね(笑)。ただ競輪の場合、体重が増えるとその分パワーも増すので、それで結果を出す選手もいますし、逆に体重を減らして立ち上がりの瞬発力でいい結果を残す選手もいますし…どっちがいいかはその選手次第のところがあります。

――体重以外にも、ちょっとしたことが結果に影響することがたくさんあるんでしょうね。

ハンドルの角度や、ギヤ比など1ミリ変えただけで、結果はまるで違ってきますから。今回、これでよかったから次も同じで大丈夫ということもないですし、変化を求めた結果、失敗することもありますし…。正解がないのが、ガールズケイリンの難しさであり面白いところなんだと思います。

「“まやくん、ゆまちゃん”と呼び合う仲です」サッカー日本代表吉田麻也選手の親戚のガールズケイリン選手・高木佑真。タイプの男性は「アスリートです!」_4


――高木選手の理想は?

ある程度セッティングは決めて、自分の体をそのセッティングに寄せること。レースではスタートからゴールまで、一度も先頭を譲らずに勝ち切ることですね。先頭を走るということは、常に風の抵抗を受け続けるということなのですごく苦しいんですけど、私的にはそれが一番かっこいい勝ち方だと思っているので、そこはこだわり続けたいです。

――結果が出ないと、迷いが生じたりはしないですか?

します。後ろからまくったらどうなるんだろうとか、考えることはあります。スタートで遅れて、後ろから走ってそれがいい結果になることもありますし…。でも、それが次に繋がるのかなと考えると、絶対にそれは違うなと。

だから今は勝てなくて落ち込んだり、凹んだりしても、続けているトレーニングがいつか実を結ぶと信じて、自分の理想のスタイルにこだわり続けます。